【東京喰種】モノクロ狐番外編【男主】 (ページ28)

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『何故』ページ28

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同じ姿、同じ手足の数、同じ言葉を使う、なのになぜ口に入れるモノが違うだけでこうも嫌われなければならないのだろうか。

話せば会話ができる。

同じ感情を持っている。

寿命も同じで、殺せば死ぬ。

なのになぜ人間を喰べるだけで殺されなければならないんだ。

コーヒーはヒトも“喰種”も口に出来る。それ以外は我ら“喰種”は受け入れなかった。

みんな同じ感情を持っているが、決して同じ思考ではない。ヒトと仲良くしたい“喰種”もいれば、強さしか目にない“喰種”もいる。

生き物(虫は論外)を殺した事のない“喰種”もいる。

“喰種”しか喰べた事のない“喰種”もいる。

なのになぜヒトは“喰種”と分かっただけで別れを告げるのだろうか。

「･･･ひっく、うぅ」

「可哀想に、また別れを言われたのですか」

本当に同情しているのか怪しいコサメは、タオルケットを頭から被り泣いているコウの背中を摩る。普段なら突っかかるコブだがこの時だけは何も言わない。

「通報されないだけいい奴じゃねェか

お前はソイツを憎むか？」

顔を覗き込むと目を真っ赤にしたコウはぶんぶんと首を横に振る。

「じゃあ、もう忘れちまえ

満足するまでその感情を真っ白な紙に描け

そんで世間に教えてやれ、“喰種”はてめーらと同じ存在だって事をよ」

｢うんうん｣と壊れたロボットの様に何度も頷く姿に満足し、立ち上がる。

(お前はヒトの世界に溶け込めない･･･

自分も気付いてる筈なのになぜ変えない)

好きに絵を描き、好きに過ごせば良いのになぜお前は深入りをする。

(薄っぺらい関係なんてひと吹きで消えるもんだ)

その方がヒトの世界では楽に生きれるよ。なのになぜお前はヒトと仲良く手を繋ぎたがるのだ。それに対し、なぜヒトは拒絶しかしないのか不思議で不思議で考えるのをやめた。