【東京喰種】モノクロ狐番外編【男主】 (ページ26)

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『狐狸』ページ26

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狐狸(コリ)と名付けられたホッキョクギツネの一日は自由気ままに始まる。

飼い主である影乃が上半身を伸ばし、起き上がる気配に目が覚め洗面所に向かうのを感じる。

玄関に行き靴を履く音を耳に入れると立ち上がり、影乃の肩に飛び乗る。

「おっ、コリも行くか」

丁度良い場所を探し、狐の襟巻きの様に影乃の首を中心に丸くなる。冬や寒い時期にするとコリの毛並みをよくブラッシングしているので気持ちが良いようで影乃は嬉しそうに頬を寄せてくれる。

逆に暑い日には移動中は影乃の肩に乗るが少し首の間に距離を空け、影乃が暴れる前に察知し飛び降りる。

「こーんばんはッ」

挨拶と共に同種である“喰種”の首をへし折る影乃を見守り少しワクワクしながら待ち構える。
基本“喰種”は何もしなければ一ヶ月はヒトを喰べずに過ごせるが普通の動物であるコリには毎日食べなければ生きていけない。

影乃はよく赫子を出す機会が多いので一週間に一回は“喰種”やヒトを喰べる。

いきなりだが影乃とコリの出会いは、空腹で死にかけのコリに影乃が人間の肉をあげた事から始まった。

それからコリは人間の肉が大好物になった。主人である影乃が唯一食べれる物と認識しているので同じ物を喰べれるのは嬉しいと感じていた。

コリにとって影乃と同じ物を喰べるのは至福であった。

この後は散歩と呼んでいるちょっかいが始まる。コリにとって“喰種”とヒトは同じで赫子と言う存在はあっても無くても同じであった。ただ自分と似ている尻尾を影乃が出している姿は好きである。

遊んで、壊して、遊んで、愛して、遊んで、殺してを繰り返す主人はイキイキとしており、コリはその姿を見る事が大好きだった。

自由気ままに生きる主人が寝るとコリも共に夢の世界へと向かい、コリの一日は終わる。