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『決戦』 ページ16
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芝生に寝転がり右手を伸ばすと、指の隙間から漏れる太陽の光が眩しくて目を細める。あの窮屈な庭から助けてくれた時を思い出す。
「あんたが愛した世界はこんなにも綻び始めている
俺はヒトも“喰種”も好きだけど、愛せない
･･･この違いは何だろうな」
いつも煙草を吸っていたアイツは呆気なく死んでしまった。あの時俺がもっと強ければアイツは死なずに済んだ。
しかし、いくら後悔しても強くなってもアイツは戻ってこないし生き返らない。
だから俺はもう亡くさないように求める。アイを喰べ、コブもコサメもコウも喰った。
もう俺には失う者は無い。起き上がり、背後を見ると柳下の姿。
「ここが俺とアンタの決戦の場だ」
素顔を晒しているので視界は良好。
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西 - この方角に福があるはずです
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作者名：水無月 | 作成日時：2017年9月14日 3時
