【東京喰種】モノクロ狐番外編【男主】 (ページ15)

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『提供』ページ15

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ぐさぐさと刺さる“何か”。

痛くて痛くて、叫んだ。

顔は涙と鼻水でぐちゃぐちゃ。

抵抗する腕も、逃げる脚も切り落とされた。

「･･･助けて、助けて」

もう考える脳も停止した。目の前もボヤけて良く見えない。

“何か”が反射してキラリと光るのは分かった。あぁ、ここで終わりなのか。

もっと絵が描きたかった。もっと暴れたかった。もっと、もっと、もっとラクちゃんたちと過ごしたかった。

「･･･もっと哀しみを与えたかった」

キラリと光る“何か”が振り落とされる前にそれを持っている人物の首が飛んだ。見覚えのある赫子と背中に息を飲んだ。

「おめでとう！やっと本音分かってよかったな！！」

何本もある尾赫を振り回し、周りの“喰種”を赤に染めた。視界の端にコブちゃんとアメちゃんが入る。なんだみんな来てくれたんだ。

「帰んぞ、コウ

俺たちは腐った奴らに｢喜び｣と｢怒り｣と｢哀しみ｣と｢楽しみ｣を与えてやるんだ

休む暇はあっても止める暇はねーぞ」

楽しそうに駆けるその姿は神の皮を被った悪魔だった。ラクちゃんに捕まったが最後、コウたちはもう戻れない。

でも、戻る気はさらさら無い。それはコブちゃんもアメちゃんもそう。

コウたちは好きな事や、やりたい事あって向いてる方向は違うけど同じ方向を見ているのは知ってる。

なんであの“白鳩”に嫌がらせをするのか知らないけど、強い信念を感じる諦めない姿、何かを求めるその姿にはコウたちはなぜか惹かれたんだ。

手脚が無いコウを脇に抱えて飛び出す、肩に狐を乗せた野狐を“白鳩”たちは見上げて何も出来ない。口をあんぐりと開けたアホな顔に笑っちゃう。