【東京喰種】モノクロ狐番外編【男主】 (ページ1)

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『神様』ページ1

ＮＯside

多くの視線を感じる場所でもある、他の所より高い演説台に１人の男が立った

その男は目元が隠れる赤が入っている半面狐に口元は布で隠している

服装は普段のモノクロの格好ではなく、少し着崩した袖が無い着物に、忍びが着けているような手甲

全ての服が黒で統一され所々白が入り、更に黒いマントを肩にかけている

「君たちは神を知っているか？」

辺りはザワザワと騒(ざわ)めく

前触れも無く尋ねる男の後ろの両脇には同じく狐の面を着けている男たちが待機している

筋肉質の男には鼻に皺(しわ)を寄せ怒りを見せる狐の面に、動きやすいように着崩した袖が無い着物

細身の男には三日月型の目をしている狐の面に、きっちりと(袖有りの)着物を着ている

そして、細身の男の隣には
右の額に一輪の花が描かれた丸みのある狐の面に、丈がふんわりとしている着物を着ている小柄な女が立っている

３人とも布地は黒で所々白が入っている

《バンッ！》

辺りは静まる

「俺は知らない

見たことがないから」

演説台を叩き、注目を集める

演説を聴く者たちは皆、面布をして顔は見えない

「何故見た者はいないのに君らは信じる？

何故見た者はいないのに絵を描く？

例えばこの置物が神だと言えば君らは信じるか？

例えば産まれたばかりの赤子が神だと言えば君らは信じるか？

例えばヒトを喰べる“喰種”が神だと言えば君らは信じるか？」

目元が空洞の狐面からは“喰種”の証明である赫眼が覗いている

部屋は薄暗く、気付く者はいない

「いつ、何処で命が消えるのか誰も知らない

それを悔やむ必要はない

知っていれば人生を楽しめない

タイムリミットを気にしながらなんて楽しめないだろ」

ここの教団は元々は別の者がトップだった

“ヒト”と“喰種”が共同する世界を願っていた

それは興味で動いている“喰種”に奪われたのだ

「“これは”我々の神様だ」

抱きかかえたのは幼い子ども

真っ白で豪華な着物に、頭は白いベールの上に色とりどりの花冠を乗せている

ベールで顔は見えず、性別は分からない

「この子は神の子だ

神の子を通して神は我々に助言を下さる

神の子に反すれば神から天罰が下る」