待てども ページ28
･
Aはすぐにヘマをする。
場所はどこかの会社の屋上。フェンスは錆びれ、分かりやすい場所に貼り紙があった。
〔外れやすくなっています
触れないで下さい〕
運悪くAはニセモノヒーローの力により投げ飛ばされ、フェンスに身体をぶつける。
少女一人分の身体を支える事を放棄してフェンスはAと一緒に外へと投げ出された。
死際だからなのかゆっくりと世界が見える。
でも不思議と走馬灯は見えなかった。
視界に入る手。
刀を握ったり、手に負担をかけた為に荒れた手。
風で疼く腹の
もう傷が塞がったはずなのにズクズクと痛む。
チラリと視界をずらせば、離れた所で己の師が私を見ていた。
目で、
お前はここまでか？と訊ねている様だ。
────まだ死にたくない
近くの壁に刀を突き刺し、ぐるりと身体を持ち上げる。
ニセモノは鬼の形相で登ってくる少女に怯え、“個性”を発動させる。
何も無い空間からポンポンと物体は現れ、Aへと落とされる。
それに対し、Aは掌から意識を変え身体全体で“個性”を発動させる。
すると益々壁は凹み、落された物体は当たる前に押し潰される。
「ひ、ひぃ」
ニセモノは腰を抜かし尻もちをつく。
それでも諦めない精神なのか無意識なのか“個性”による攻撃は止めない。
近くにいるだけで感じる圧迫感。
思い出すのはヒーローになる為に何度も経験した圧迫面接。
その瞬間と目の前の自分より年下の少女が重なり怒りが沸き上がる。
「ふ、ふざけるなぁ！！」
ニセモノが両手を上げれば、バランスボールより何倍も大きい玉が現れる。
「それが貴方の最後の言葉なの」
凛とした声がニセモノへと届き
それがいけなかった。
力は緩み、重さを感じなかった玉は急激に重さを自己主張しニセモノは潰された。
「貴方は何の為にヒーローになったの？
教えてよ、“ヒーロー”」
待てども待てども答える声は聴こえなかった。
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水無月(プロフ) - フェイロさん» コメントありがとうございます！ゆっくりですが、頑張ります！！ (2017年3月31日 12時) (
レス) id: 07c7ef19ca (このIDを非表示/違反報告)
フェイロ(プロフ) - 更新頑張ってください＾＾応援してます♪ (2017年3月31日 11時) (レス) id: 0a26e223cf (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - アオイさん» コメントありがとうございます！これからは過去編となりグダグダになってしまうと思いますが楽しんで下さい！！ (2017年3月4日 19時) (レス) id: 07c7ef19ca (このIDを非表示/違反報告)
アオイ - これ面白いです。更新頑張って下さい！(〇＾>ω<＾〇) (2017年3月4日 19時) (レス) id: d53ab4daaa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水無月 | 作成日時：2017年2月21日 14時
