No.13 評価が低いあたし ページ13
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あの頃は何が起こったのか分からなかった。
怒りに任せ、全部消えちゃえと強く願った。
その瞬間に周りは潰れた。
怖かった。
その次はあたしの身体が崩れた。
鉛のように重いのに、朝日は顔を出す。
骨がミシミシと鳴き、走ったかのように肺が痛くなる。
何時間経ったのか、やっと身体が動かせるようになった時は。
朝のランニングをしている人がちらほら見えた。
“無個性”なあたしには、初めての体験で。
自分がバケモノになったのか、凄く不安になった。
返り血が着いたまま、走った。
人が来ないであろう場所に逃げて。
脈打つ心臓を落ち着かせるように、ギュッと握る。
「ははっ、･･････“個性”があった
あたしにも“個性”があったんだ･･･！」
嬉しかった。
やっと、みんなに自慢ができる。
見せたかった。
やっと、父に認めてもらえる。
やっと、母に頭を撫でてもらえる。
姫路さんにあたしも“個性”があると、証明できる！
その時は嬉しくって嬉しくって。
どうやって、生き返ったのか考えもしなかった。
通勤や登校する時間が過ぎて。
お昼になった。
早く両親に見せたくって。
自宅に急いだ。
でも、着く前に。
あたしは無駄な事をしているのだと気付いた。
外で活動している人がラジオをＢＧＭにして作業をしていたのだろう。
報道されていたのは、襲撃事件について。
敵は逮捕され、救けに着たヒーローは自ら命を絶とうとするほど世間に責められていた。
次に、殺されたあたしについて。
学校の生徒にあたしの印象を訊いたのだろう。
みんな口を揃えて。
評価した。
────あの子はいつも一人だった
────あの子について何も知らない
────何時も笑って気味が悪かった
初めて聞いた、あたしの評価。
声を出さないように両手で強く。
口を押さえて、聴いた。
両親も、先生も、クラスメイトも。
あたしを｢何を考えているのか分からない気味が悪い子｣と評価し。
悔しかった、恨めしかった。
みんなの為に頑張って。
先読みして行動して。
親切にしていたつもりだったのだ。
もう、止めよう。
親切にするのは。
｢
これからは名無しとして生きよう。
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水無月(プロフ) - フェイロさん» コメントありがとうございます！ゆっくりですが、頑張ります！！ (2017年3月31日 12時) (
レス) id: 07c7ef19ca (このIDを非表示/違反報告)
フェイロ(プロフ) - 更新頑張ってください＾＾応援してます♪ (2017年3月31日 11時) (レス) id: 0a26e223cf (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - アオイさん» コメントありがとうございます！これからは過去編となりグダグダになってしまうと思いますが楽しんで下さい！！ (2017年3月4日 19時) (レス) id: 07c7ef19ca (このIDを非表示/違反報告)
アオイ - これ面白いです。更新頑張って下さい！(〇＾>ω<＾〇) (2017年3月4日 19時) (レス) id: d53ab4daaa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水無月 | 作成日時：2017年2月21日 14時
