No.12 第二のあたし ページ12
･
次に意識を取り戻した時は見知らぬ部屋だった。
自分はびしゃびしゃに濡れて、全裸。
辺りを見回してもどこだか分からなかった。
自分の足元を見ると。
ふらつく足で踏ん張り、散策すると。
知っている人物が写真に写っていた。
図書館の管理人さん。
干涸らびたモノをまじまじと見れば。
それは本人だった。
分かった瞬間、なぜかあたしは冷静だった。
────ここから出なくちゃ
サイズが合わない服を奪い、飛び出る様に家を出た。
まだ日の出前で幸いな事に人はいなかった。
少し進めば知っている道に出て、走った。
転びそうになっても、立て直して走った。
着いた頃には感覚は無くて。
心臓が押し潰されそうなくらい痛かった。
こっそりとドアを開ければ鍵は掛かっていなかった。
気付かれないように居間のドアを拳ぐらい開ければ、父と母が見えた。
「･･････そうよ、あの子は貴方の子じゃないの」
なんの話か分からなかった。
「やり直そう、もう一度
あの子を作り直そう
今度は正真正銘、俺たちの子を」
頭が真っ白になった。
両親とも肩で息をして、やつれていた。
────逃げなきゃ
裸足のまま、家を出たんだ。
あたしが今までしてきた事はなんだ！？
あたしがここでしてきた事はなんだ！？
狭い路地裏に入れば、誰かの溜まり場だったようで。
何十人もの視線があたしを見た。
･
･
見ないで、死んだあたしを見ないで。
亡霊のあたしをなんで見るの？
ほっといてよ、やっと解放されたんだ。
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水無月(プロフ) - フェイロさん» コメントありがとうございます！ゆっくりですが、頑張ります！！ (2017年3月31日 12時) (
レス) id: 07c7ef19ca (このIDを非表示/違反報告)
フェイロ(プロフ) - 更新頑張ってください＾＾応援してます♪ (2017年3月31日 11時) (レス) id: 0a26e223cf (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - アオイさん» コメントありがとうございます！これからは過去編となりグダグダになってしまうと思いますが楽しんで下さい！！ (2017年3月4日 19時) (レス) id: 07c7ef19ca (このIDを非表示/違反報告)
アオイ - これ面白いです。更新頑張って下さい！(〇＾>ω<＾〇) (2017年3月4日 19時) (レス) id: d53ab4daaa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水無月 | 作成日時：2017年2月21日 14時
