想い ページ1
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ガフッと口から生暖かいモノが吹き出る
ただ、貴方さまをお護りをしたかっただけ
幼く、無知で可哀想な我が主
ひとりぼっちの可哀想な王子さま
私が貴方を愛しましょう
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･
背中が焼けるように熱い
何処で間違ったのだろうか
貴方さまを想い、大切に育ててきたのに
何時から貴方さまの邪魔者になったのだろうか
知識を叩き込めば
地位や権力、富や名声を手に入れた
「────殺せ」
何十年も貴方さまの隣に居たのに
愚かな私は貴方さまの想いに気付けなかった
真っ赤な手で、我が主に伸ばせば
切り落とされた
いつの間に剣術なんて学んだのだろう
私が教えた覚えは無いのに
きっと貴方さまの隣に居る奴が教えたのだろう
このままでは父君と同じ道を歩んでしまう
それでは母君が悲しんでしまう
「･･･お赦しを」
貴方さまをひとりぼっちにしてしまう事を
力の限り、残りの腕で剣を振るう
我が主の隣の首は天高く飛んだ
「我が主よ、愛を忘れてはなりませぬ」
私の初めて口にした想い
私より高い背
逞しく引き締まった身体
昔より低くなった声
何もかも変わってしまわれた
力が抜けて、地に落ちる
瞼が閉じる前に見えた、今にも泣きそうな顔
･
･
────よかった
昔から変わらない顔を見つけて、頬が濡れた
それが自分のか、我が主なのか
確認出来ずに深く落ちた
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作者名：水無月 | 作成日時：2017年4月11日 21時
