三十四回目の恐怖 ページ37
･
荼毘さんは未だに私のうなじを掴んでいる。
このまま真実を言ってしまえば楽になれると思って私は言葉を落とした。
「･････････お前の兄ちゃんはどこに行ったんだ」
「･･････あ、ある日目が覚めるとお兄ちゃんは死んでいました。
誰かに･･････殺されて･･･」
いつの日か布団の上で起きると隣で死んでいた兄の姿。
思い出すだけで吐き気がする。とっさに口を塞いで出さないように堪える。
「･････････誰に殺されたかは分かりません。
もともと本家はみんな足の引っ張り合いをしていた人たちです。誰もが動機を持っていました」
「だから逃げたと？」
「は、はい。騙すようなことをしてすみませんでした･･･。
お兄ちゃんはもういないです。
･･･なのでもう私たちは一緒にいる必要はないのでしょうか」
言った。言ってやった。もう荼毘さんと一緒にいる理由はない。
《ギュウ》
「あッ･･･」
「あん時俺は聞いたよな『死んだのか』ってそしたらお前は首を振った。違うか？」
私のうなじを抑える手に力が入る。少しでも力を入れられると気道が塞がれそう。顔から血の気が引ける感覚がする。
額から流れる汗が顎を伝い、地面に落ちた。
「し、信じてもらえるか分かりませんが皆さんと出会うまで記憶があやふやでした。
でも、あの時頭を打って倒れた時に断片的ですが思い出したんです」
「兄ちゃんが殺されたことか？」
「はい、でも今ももやもやして何かが記憶を“隠している”ような気がするんです」
思い出そうとすると“黒い影”が隠す。雲隠れするような感覚。
私のうなじから手が離された。そこにホッとしていると影からスマホがするりと出てきた。
「大切ナオ話中ダッタカラ黙ッテタケド着信ダヨ」
「えっ！」
慌てて画面を見るとコンプレスさんからだった。
〈やっと繋がった！！
･･････落ち着いて聞いて欲しい、マグ姉が殺られた〉
「･･･え」
また身近な人がいなくなってしまった。
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花 - 主人公ちゃんの性格がどタイプです! (2021年5月16日 22時) (
レス) id: 5a0f0dfb22 (このIDを非表示/違反報告)
ネコまっしぐら(プロフ) - とても面白かったです！ チエーニ可愛いし荼毘はかっこいいしでもう最高です!! これからも応援しています。 頑張って下さい（≧∇≦） (2020年2月3日 0時) (レス) id: f87d62096a (このIDを非表示/違反報告)
名無し82807号(プロフ) - 凄く面白かったです！荼毘がもっと好きになりました！続きを楽しみにしてます！ (2019年8月21日 2時) (レス) id: 7c4003326d (このIDを非表示/違反報告)
紅(プロフ) - すっっごく面白かったです！！何だかんだ言って荼毘って優しいですよね。続きめっちゃ楽しみにしていますね！！あと夢主の個性のチエーニが荼毘の事を「荼毘クン」と読んでいるのが物凄く可愛いです！！チエーニ可愛くて好きです！ (2019年8月10日 9時) (レス) id: 5c635e6563 (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - わー！ありがとうございます！ (2019年7月29日 12時) (レス) id: d9fcb2d7ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水無月 | 作成日時：2019年5月20日 22時
