十二回目の恐怖 ページ14
･
ぶらりと彼は手を下ろす。
「理由は？」
イラついてる声で問われた。
「もし、私が逃げたら荼毘さんはどうなるんですか」
震える声で身を引き締める。
「別に傷つかないならいいです
でも･･･残された者はどうやって生きたらいいのですか」
お兄ちゃんがどこかに行ってしまったから。
残された私は何をすればいいのか暫く放心した。
今の私がいるのはチエのお陰である。
荼毘さんは視線を
「逃げないように依存させればいいだろ」
次は私が驚く番。
──────────
────────
──────
またあの夢だ。
まだチエが“生まれてない”時の夢。
私は明かりが漏れている
映った光景は尻餅をついているお兄ちゃんと、お兄ちゃんの前に立つ着物姿の大婆様。
「こんなのではダメです！
もっと腕を真っ直ぐに！！」
心臓にまで響く声は大嫌いだった。
「申し訳ありません･･･」
お兄ちゃんは下を向きながら謝罪をする。
我が家の家系は“個性”を使い踊るパフォーマー。
光に映し出される影と共に踊り、影と共に演じる。
私たちの御先祖様は“個性”が現れるのが早い方だった。
当たり前になる“個性”社会の前に御先祖は“個性”を使い荒稼ぎをしたらしい。
厳しいことで有名な大婆様は何故か私にだけ甘かった。
いつもニコニコと笑い。
会う度にお小遣いやお菓子を貰っていた。
大婆様はクルリと兄様に背中を向けた。
「ハァ･･･Aさんはあんなに才能があるのに、どうしてこの子は出来ないのかねェ」
大婆様は口癖のようにお兄ちゃんに言っていた。
その度にお兄ちゃんは怖い顔で大婆様を睨みつけていた。
そんなお兄ちゃんの顔は見たくなくって私はみんなから隠れる日々を過ごした。
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花 - 主人公ちゃんの性格がどタイプです! (2021年5月16日 22時) (
レス) id: 5a0f0dfb22 (このIDを非表示/違反報告)
ネコまっしぐら(プロフ) - とても面白かったです！ チエーニ可愛いし荼毘はかっこいいしでもう最高です!! これからも応援しています。 頑張って下さい（≧∇≦） (2020年2月3日 0時) (レス) id: f87d62096a (このIDを非表示/違反報告)
名無し82807号(プロフ) - 凄く面白かったです！荼毘がもっと好きになりました！続きを楽しみにしてます！ (2019年8月21日 2時) (レス) id: 7c4003326d (このIDを非表示/違反報告)
紅(プロフ) - すっっごく面白かったです！！何だかんだ言って荼毘って優しいですよね。続きめっちゃ楽しみにしていますね！！あと夢主の個性のチエーニが荼毘の事を「荼毘クン」と読んでいるのが物凄く可愛いです！！チエーニ可愛くて好きです！ (2019年8月10日 9時) (レス) id: 5c635e6563 (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - わー！ありがとうございます！ (2019年7月29日 12時) (レス) id: d9fcb2d7ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水無月 | 作成日時：2019年5月20日 22時
