担当マネージャー（黄）

報われる ページ49

錦戸(なに)


『少しお話がありまして、今いいですか？』


錦戸(そこまで来られたらあげるしかないやんかもう、早よ来て早よ終わらせて)



インターホン越しの錦戸さんの声、寝ていたのかすこし声が掠れてる



『玄関までで、』


錦戸「上に上げるつもりないわ、何」



『私ドラマのスタッフさん達に最近よく疲れてるの？って聞かれるんです、

たぶん私のミスが原因で、』


錦戸「、、」


『でも私ドラマ撮影が始まってから一度もミスした覚えがなくて、そう断言できるくらい一つ一つを丁寧にしていて、

だから、錦戸さんにも伝えられてる私のミスは、えっと、なんてゆうか』

錦戸「嘘やったん？誰かがついた」



『はい、そうなります』



錦戸「誰がそんなん言うん、」



『それが分からなかったから今まで誰にも言えなくて、大人の世界の暗黙の了解で指摘されたミスって否定出来ないじゃないですか、だから今まで言えなくて、』



錦戸「俺の動きをメモっとるノートが捨てられとったんは？」



『あれも絶対しないです、』



錦戸「鞄もよな、」



『、、はい』



錦戸「この前高橋さんに出す飲み物間違えてたんも？」



『本物の飲み物リストと偽物が入れ替えられてました』



錦戸「、、そやったんか」



不意に沈黙が訪れた



全てを言い切った所で思った、だから何？って。


あれは全部私のミスではないんです、、うんだから？

だから、

私は悪くないんです？私に怒らないでください？一緒に犯人探しをしましょう？違うよね、

私は結局何が言いたかったのか分からないまま、かなり続いた沈黙を私が破った



『お休み中にすみません、帰ります』



錦戸「待てや、今回のドラマ、俺が今までやった事無い役で考える事多くて難しくて、

お前の事やしちゃんとやる事やってくれとる思ってて、何も気にしてんかってん、

けど聞くスタッフ色んな人に最近ミス多い言われて俺も焦って何も考えずにお前に怒鳴ってた、ごめん」



『いや、忙しいのは事実ですし、私もこれ以上錦戸さんの足を引っ張らない』

錦戸「お前がミスしてんちゃうんやろ？お前にミスをふっかけとるやつがおるんやろ？

これからも指摘されたミスを否定は出来ひんどは思うけど、俺も早くソイツ見つけるから」



『、すみません』


錦戸「お前って自分悪無いのに謝るん得意なん？技ついたか？笑」


悪戯っ子のように笑って錦戸さんはそう言った

それだけで努力が報われたような、そんな気がした

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