担当マネージャー（黄）

糸 ページ33

『私、ホントの事を言うと
日本の5大ドームツアーも成功すると思ってなかったです』



大倉「Aちゃん？」



『渋谷さんが抜けるって言う前からライブの日程も当落者も決まっていて、実際迎えた北海道ライブでは

新しく追加された各々の歌割りを全うするので精一杯で



だけどやってのけたじゃないですか、あんなにも素晴らしいライブを。


私、本当に感動しました』



渋谷さんの脱退は痛手だったかもしれない、

成功したとしてもあれだけの感動は作り出せないと思っていた、

公演が終わればカラオケに行くような人が、公演中に全ての力を出し切っていたり、


神経質になりすぎたが故に安堵と共に意識をなくしてしまった人もいたり


彼らにこんな力があったのか、って思い知らされた


そこまでして自分をギリギリまで賭けたいと思ってて、そう思われてるファンがいて



『絶対成功します』



これ以上言葉にはしなかった


後付けになるのは嫌だから。



大倉さんは笑っていた、



大倉「一回ギュってしていい？」


『一回だけ、っうお』



勢いよく抱きついて来た大倉さんの肩が揺れてた


顔は見ないようにした



大倉「ちゃんと見ててな」


『いつも見てますよ』


大倉「嘘つけ、亮ちゃんカメラで亮ちゃんしか見とらんくせに」


パッと顔を上げるとまた大倉さんは笑ってた


今の笑顔は、大丈夫そうだ



タレントだから、アイドルだからって言えないけど言いたい事沢山あると思う

けれどその一線を超えた言葉を彼らは言う

それは、その言葉はファンが一番安心する言葉であって、決して無意味なものではない。


だけれど、ファンに心配させないためには隠さなければならない表情がある。


見せてはいけない表情がある。


言葉では言い表せないけれど。



それでも彼ら関ジャニ∞はその表情すらもファンに見せる。


それには私も嫉妬してしまうほど。



関ジャニ∞とエイターは私が知ることは出来ないところでしっかりと固く結ばれていて、


その結ばれたものが今ここにいる大倉さんを強くする。



どうかその糸が切れませんように、何も出来ない私はそう願うしかなかった

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