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傷口に絆創膏を貼って、保健室の先生は消毒液やらを棚にしまっていた。
『ありがとうございました』
「今度から気をつけてね。包丁は本当に危険なんだから」
『はい。それじゃあ失礼します』
ガラガラと保健室の扉を閉める。
その近くには、クロが壁に寄っかかっていた。
私に気づいたらしく、手を挙げて返事してくれる。
それにならって私も手を挙げて返事をした。
そして、小走りに駆け寄る。
『終わった〜消毒液なんかこの世に存在しなければいいのに』
「お疲れ。家庭科室に戻っても包丁だけは持たせないからな」
『ちょっと。私を自 殺志望者みたいに言わないでよ』
こちとら死のうとした訳じゃないし。
ケラケラと笑う私と反対にクロは眉を寄せていた。
どうしたんだろ。
小首を傾げていると「手、見させて」と言われて命令通りに絆創膏を貼ったところを見せる。
するといきなり、クロはしゃがんで悶絶をした。
え、何?胃が痛いの?
「あ"〜あの時Aに野菜切ってとか言わなきゃ良かったわ...マジでごめん」
ずっと考えていたんだろうか。
別に野菜を切ったせいじゃないけど...やっぱり気にしてくれたんだな。
クロが私のことで悲しんでくれるとなんか嬉しい。
自然と笑みがこぼれる。
よっしゃ、いつもの腹いせに少しからかってやるか。
『まぁあながち間違ってないかな〜』
「普通そういう時はそんなことないよ、とか言わない?」
『じゃあ謝んな。私も気にしてないし』
しゃがんでいるクロの手を握った。
男らしい大きな手だった。私より2倍くらい大きい。
『行こ』
「......おう」
夏が近づいた暑い日だった。
ーー
"恥ずかしいゲーム"はこれにておしまいにします。もっと書きたかったぁあ!
次から、"マネージャーゲーム"を開始致します。
どうか、これからもよろしくお願いします。
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MANA☆(プロフ) - ゆなちぃさん» 研磨が憧れているゲーマーというのを書いてみたかったんです!最高といって頂き嬉しい限りです!これからもよろしくお願いします! (4月30日 22時) (レス) id: 320ec2c20a (このIDを非表示/違反報告)
ゆなちぃ(プロフ) - あの研磨が憧れているだと、、、最高じゃん!更新ありがとうございます! (4月30日 21時) (レス) @page21 id: f6d2aef25a (このIDを非表示/違反報告)
MANA☆(プロフ) - ゆなちぃさん» はっ初めてのコメントだぁあ!コメントありがとうございます!これからも、クロの可愛さとかっこよさ。そして天久とのイチャコラをどうぞお楽しみください! (4月6日 15時) (レス) id: 320ec2c20a (このIDを非表示/違反報告)
ゆなちぃ(プロフ) - めちゃくちゃクロカッコいい⭐︎応援しています! (4月6日 14時) (レス) id: 6caddf7ea4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:MANA☆ | 作成日時:2024年3月26日 17時