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「リリアじゃ。リリア・ヴァンルージュ」
トレイ先輩がリリアの事を紹介しようとするとお決まりの登場でリリアは自身の自己紹介をした。
「コ、コイツ、瞬間移動したんだゾ!」というグリムを視界の隅にびっくりして変に飲み込んだせいか咳を込む。
デュースが急いで水をくれ、ごくごくと飲み干してからありがとうと告げた。
「もう!リリア!びっくりするでしょ!!」
「それはすまないね。何度やっても驚くカンナが愛らしくてのう…。年寄りの楽しみじゃ」
マレウスの護衛とかセベクの様にそういう感じで入学してきたものならまだ分かるが、ただの1年がここまでディアソムニアの中心と仲が良くしかも呼び捨て、タメ口という事にみんなが驚いたのだろう。
視線は私に向かっていた。
「それに、お主らわしの年齢が気になるとな?くふふ。こんなにピチピチで愛らしい美少年のわしだが、」
「ピチピチで…愛らしい……美少年…。」
私はリリアの言葉を細かく砕き理解しやすいように往復した。
自分をそのように言えるのはきっとリリアくらいだろう。
あ、ポムフィオーレの寮長さんも自分の美を認めてる感じしてた気がするなぁなんてどうでもいいことを思いつく。
確かにそこの眼鏡が言うようにと言葉を続けるリリア。トレイ先輩もピチピチ…と往復していた。
「遠くから眺めるだけでなく気軽に話しかけにくればよかろう。同じ学園に通う学友ではないか。我が、ディアソムニア寮はいつでもお前たちを歓迎するぞ」
その言葉に遥か向こうにいるディアソムニアの集団にみんなの視線が移る。
気軽に話しかけて欲しいという雰囲気を感じないセベクやシルバーを見てデュースもつっこんだ。
リリアはそれに対しては何も言わず、くふふと笑い上から失礼したと戻って行った。
「えあれ…聞くの忘れた。」
気づけば元の席に戻ったリリアに視界を移し私は独り言を漏らす。
「ん?何を聞き忘れたの?」とケイト先輩に聞かれる。その時私は声にでていたことを自覚した。
「あ、えっとマレウスは近くにいない?って聞こうと思って…」
「えっカンナちゃんディアソムニアの寮長とも仲良いの!?何者…!?」
というケイト先輩の声。ディアソムニアの寮長とも仲良いという言葉に関係の無い人も反応した。
唯一分かっていないのはユウだけだった。
「魔法とか教えて貰ってるんです!今近くにいないっぽいんでちょっと行ってきます!」
私は食べかけの昼食を置いたままリリア達の方へ駆け寄った。
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サヤ(プロフ) - 続きが楽しみです!頑張ってください! (2021年3月8日 23時) (レス) id: 4f60a72d2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハヌル | 作成日時:2020年10月26日 22時