5.あんぱんと牛乳 ページ14
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「せっかく作ったタルトを捨てるとか酷くね!?まじありえねー馬鹿みてぇな法律守ったって意味ねぇよ」
と隣でうだうだぐちぐち言っているのはエース。
朝教室に向かうと既にエース達は誰もいない教室にいて、展開は知っているため驚きはしないが改めて2人の首輪を見るとやばい方向に向かっているなと自覚する。
このまま何もせず、オーバーブロットをさせてしまうのは先を知っている私からしたら罪悪感に押し潰されてしまう。しかしこれ以上話をずらしてしまうとこの後の状況がガラッと変わるかもしれない。
違う。私はそういう事に左右されないで復讐したい。
確実な安定が欲しい。そして不確実な安心はいらないのだ。
「______ってことで今から図書館の張り込みをします!」
「へー頑張って」
「何他人事みたいに言ってるんだ?」
「カンナ!お前も行くんだゾ!」
昨日の話を永遠と語ったエース。張り込みをする宣言をされたから頑張ってと。こんな話をする為に朝早くに呼び出したのか。それならディアソムニアの談話室でも良かったのに教室って…
と思っていたら私も参加するらしい。
「え?拒否権は?」
「ない。」
私に拒否権はなかったらしい!もう!ないって!可哀想!!
「ってか、張り込みするのに手ぶらなの?」
「逆になにか必要なの?」
「馬鹿じゃないの!?張り込みには絶対必要なものあるのに!」
私は立ち上がり走りながら「先に行ってて!私必要なもの持ってくる!」と教室を出た。
「なんだかんだ言ってノリノリなんだゾ」というグリムのつっこみは聞こえなかった。
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サヤ(プロフ) - 続きが楽しみです!頑張ってください! (2021年3月8日 23時) (レス) id: 4f60a72d2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハヌル | 作成日時:2020年10月26日 22時