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「金だ!!!金を出しやがれ!!!!」



「きゃああああ!!!」








木刀を持っていた男が興奮した様子でそう叫ぶと、それを聞いた女性客の悲鳴で、店内は完全にパニック状態へと陥る。



非常にまずい状況に、意図せず口から「チッ」と漏れる舌打ち。





入り口からは死角だが、店内には航の他にも陣平と研二がいる。



今はまだ大丈夫だとしても、大人しくできない奴らだ。その内気になって死角から出てきてしまうかもしれない。




……そして何より、今回のこの騒動が、この男一人だけの犯行とも限らない。



もしも外に、他の仲間が待機しているとしたら?

そうなれば事態はより最悪だ。




となると、伝言を伝えるついでに航とあいつらを合流させるべきか。








「……わたる、いいか。こっからはわたしのゆーことにしたがえ」


「え……?」



「おかしコーナーのとこに、わたしのダチがふたりいる。いますぐそいつらとごうりゅうして、おとなしくしてろってつたえてこい」


「で、でも、そしたらAちゃんが!」




「わたしはだいじょーぶだ。オマエのとーさんがいんだからよ」


「っ……」








「ほら、分かったらさっさといけ」と犯人が怒鳴り上げている間に小声で伝え、まだどこか渋っている航の背中を軽く押し出す。








「とーちゃんみたいになるんだろ?」








最後にそう言えば、航は意を決したように大きく頷き、お菓子コーナーの方に消えていった。




これで一先ずガキどもは安心か。


あとの問題はこの男。





着ている服は血塗れで、言動に落ち着きが見られない。


だが手にしている木刀に血は見られないから、恐らくはフェイク。

単に客を動揺させるためのものだろう。





……大人数人くらいなら、私一人でもやれるか?



その間に、航の親父さんが主犯格を取り押さえてくれれば___。








「___わ、私の財布で良かったら持ってってくれて良いから!何とかそれで勘弁してくれ!」








そう考えて空手の構えを取る私の目に映り込んだのは、地面に膝をついて犯人に土下座をする、親父さんの姿で。



……私は咄嗟に、構えた腕を下ろした。



店内に居る客を身を挺して守ろうとしてくれているのに、私のせいで場を荒らしてしまう気には、流石になれなかったから。







「あぁん?!テメェ一人如きの財布で満足するはずねぇだろうが!!ナメてんのかおっさん!!」


「そ、そこを何とか!」








戦うだけが強さじゃない。


前世の父に言われ続けた言葉が、不意に頭を過った。







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(プロフ) - いつまでも続き待ってます。 (12月22日 23時) (レス) id: 2607c1000c (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - 尊い、、、むり、、、これは尊すぎる好き (9月28日 1時) (レス) @page23 id: 0e552ce067 (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - 好きです!これからも無理せず頑張ってください!更新を楽しみにしてます (8月12日 15時) (レス) @page23 id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
黒谷桃里(プロフ) - ウッッッッッ!!!!めちゃくちゃ好きです!!!!可愛い…… (7月11日 2時) (レス) id: eae39e15db (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - もう更新はしないのでしょうか? (5月18日 23時) (レス) @page23 id: cae0d8d8c8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:無糖 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年6月26日 16時

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