家族会議後編 ページ8
エレベーターを降りてリビングのドアの前に立つ
この向こうには彼女と兄弟がいる
怯える心を落ち着けるように私は祈織の手をぎゅっと握る
すると同じように握り返してくれた祈織が隣で微笑んでいる。
大丈夫
私は一人じゃない
ガチャ
思い切ってドアノブを回した
全員の視線が一斉に突き刺さる
ただ事の元凶の彼女がいなかった
「彼女には自分の部屋にいてもらっています」
「どうして？」
「彼女が居ては話しにくい事もあるでしょうから」
「そう」
「詩織、正直に答えてね。詩織は彼女に何かした？」
「雅臣兄さん…私は何もしていない。呼び出したのは彼女だし腕の傷も自作自演。私は彼女に指一本触れてない」
「そんなわけねーだろ！わざわざ自分で腕に傷作ってあいつに何の得があるんだよ！」
「そうそう。幾ら自分の罪を認めたくないからってそれはないんじゃね」
「しぃちゃんの嘘つき！お姉ちゃん泣いてたのに…」
「詩織、往生際が悪いぞ」
どうして
私は事実を言っただけなのに
どうして信じてくれないの
ねえ、どうして
現場にきた兄弟からの視線に悪意が混じっていく
じわじわと
それらが全て真っ黒に染まった時
パキッ
確かに心がひび割れた音が聞こえた
だんだん息ができなくなっていく
「ハアッ…ハアッ…ハッハッ」
ガクッ
息が苦しい
立っていられない
祈織…助けて
「まずい！過呼吸を起こしてる。誰でもいいから早く紙袋を持ってきて！」
「詩織聞こえる？ゆっくり息を吸って」
誰かが背中をさすっている
これは誰の声だろう
声に従うように懸命に呼吸する
「雅兄、これ」
「ありがとう要」
紙袋が口元に当てられ少しずつ呼吸が楽になっていく
呼吸が落ち着くに従ってだんだん瞼が重くなっていき
ドサッ
「詩織っ！」
滅多に聞かない祈織の焦った声を聞きながら私は意識を失った
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水無月のぞみ - 名前変換されてこそ夢小説じゃないの？ (2022年1月11日 6時) (
レス) id: 90a3a483bc (このIDを非表示/違反報告)
夕凪(プロフ) - ふぢさん» 最初のページに名前固定ですと明記してあります。ちゃんと読んでいただけたでしょうか？こちらも理由があって名前固定にしているので変えるつもりはありません。 (2014年12月1日 17時) (レス) id: cddaab9fd1 (このIDを非表示/違反報告)
ふぢ(プロフ) - 名前書くところ、すぐにつくってくださいやくなこと (2014年12月1日 17時) (レス) id: 06f239ce38 (このIDを非表示/違反報告)
来栖歩美(プロフ) - 更新、お疲れさまでした！ (2014年11月18日 19時) (レス) id: 709b45f807 (このIDを非表示/違反報告)
トモ(プロフ) - 完結？おめでとー(*^ω^)ﾉ♪続編楽しみにしてる！ (2014年11月18日 19時) (レス) id: 03b05e44d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夕凪 | 作成日時：2014年10月2日 1時
