新たな日々に向かって ページ48
病室から聞こえてくる泣き声に雅臣、右京、椿、梓は顔を歪めていた
昼休みや移動の合間に会いに来たら偶然会ったのだ
「詩織は基本的に僕たちの前では泣かないからね…」
「そうですね。棗や琉生や祈織の前ばかりでした」
「後ひか兄だな」
「ひか兄って昔から詩織にだけは甘かったから」
「俺さ…あの時はじめてあんなに泣いてる姿見たんだよ。そん時はまだ詩織がやったって疑ってたからなんでこんなに弱ってるんだろうって思ってたわけ。今考えるとさ…詩織からのSOSだったんだなと思うよ」
「僕も本当に驚いた…。それまで祈織が何回も詩織の事を言っていたけど何の実感もなかったんだ。けど、その意味をやっと理解したよ」
「私もです。冷静に考えれば不可解な点は幾つもあった。しかしそれを突き詰めて考えようとしなかった。摂食障害の件も何も気づかなかった」
「僕も兄として医者として気づいてあげなければいけないことだった。兄失格だ…」
その場にいる者全員がおもいおもいの心情を吐露していく
その場の空気は重かった
「何時までも引きずる方が詩織は悲しむぞ」
「「棗！？」」
「来ちゃ悪いか？」
「いや、てっきり琉生かひか兄あたりかと思ってたからさ」
「かな兄から詩織に伝えて欲しいことがあるって聞いたから来た。詩織なら今眠ってるぞ」
「要から？」
「聞いてないのか？詩織が退院したら暫く祈織と一緒に俺のアパートに来るってこと」
「いや、何も」
「かな兄曰く詩織の療養と絵麻と兄弟の関係改善を兼ねているだとさ」
「ずりーぞ棗！詩織を独り占めするとか」
「詩織が赦したからって現金な奴だな…。こういうのがいるからうちに来ることになったんだが」
「絵麻との関係改善？」
「詳しくは知らんが今までのことは水に流して普通の生活を送ることができるようにするためらしいぞ」
「わかった。詩織が出来るだけ早く家に帰ってこられるようにするね」
「俺としてはいつまででも構わないんだがな」
「棗、祈織と詩織のこと頼むね」
「大丈夫だ、同じ双子でも椿と梓は大違いだからな」
「ねえ棗、どういう事かな？それ」
「そのまんまだよ。まさ兄たちも兄弟のこと頼むぞ。じゃないと詩織の思いが無駄になる」
「わかった」
「約束します」
「じゃあ、俺は先に行く」
「私もそろそろ行かなければ」
「僕たちも時間だね」
「じゃあまたな」
一時の仲違いを経てようやく動き出した新生朝日奈家
さてその先の日々は如何様に…？
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水無月のぞみ - 名前変換されてこそ夢小説じゃないの？ (2022年1月11日 6時) (
レス) id: 90a3a483bc (このIDを非表示/違反報告)
夕凪(プロフ) - ふぢさん» 最初のページに名前固定ですと明記してあります。ちゃんと読んでいただけたでしょうか？こちらも理由があって名前固定にしているので変えるつもりはありません。 (2014年12月1日 17時) (レス) id: cddaab9fd1 (このIDを非表示/違反報告)
ふぢ(プロフ) - 名前書くところ、すぐにつくってくださいやくなこと (2014年12月1日 17時) (レス) id: 06f239ce38 (このIDを非表示/違反報告)
来栖歩美(プロフ) - 更新、お疲れさまでした！ (2014年11月18日 19時) (レス) id: 709b45f807 (このIDを非表示/違反報告)
トモ(プロフ) - 完結？おめでとー(*^ω^)ﾉ♪続編楽しみにしてる！ (2014年11月18日 19時) (レス) id: 03b05e44d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夕凪 | 作成日時：2014年10月2日 1時
