赦すということ ページ46
Side Kaname
病室から聞こえてくる声に俺は耳をすませていた
詩織が妹ちゃんや他の兄弟をどうするのか気になったからだ
時折、大きな声や啜り泣く声が聞こえるのでそれなりに修羅場の様になっていると俺は思っていた
「要兄さん、詩織のことだから絶対修羅場になんかなってないよ」
「俺…顔に出てた？」
「いやなんとなくだけど…。きっと詩織なら彼女や他の兄弟達にこう言うんじゃない？「兄弟全員と仲直りして一緒に暮らすこと。これが私からの罰」だって」
「そうだね。詩織ならそう言うかも」
”赦す”ということはある意味1番難しいことなのかもしれない
怒る、驚く、笑う、妬む、悲しむ
人間には様々な感情がある
誰にだって存在する当たり前のことだ
だけど”赦す”ということは当たり前ではない
頭では理解していても心理としてはその理解を拒否し認めない
だから赦すことは難しいのだと思う
その典型的な例がなっちゃんとすばちゃんだ
すばちゃんは陸上をやめたなっちゃんをゆるしていない
だからあの2人の関係はまだ治っていない
しかし、詩織は赦すということができる我が家の数少ない兄弟だ
思えば詩織は謝罪を受ければ必ず赦していた
何か大事にしていたものを壊されたり、叩かれて痣ができたりしても相手の誠意を尊重し赦す
なかなかできることじゃない
きっと詩織には特別なことをしているという意識はない
無意識のうちにそれをやっている
「ねえ、要兄さん…どうして詩織って怒らないのかな？」
「それは、祈織が詩織の分まで怒っているからじゃないか?」
病室からは談笑する声が聞こえている
「僕が詩織の分まで…？」
「ああ、だいたいいつもそうだろう。今回も」
「そう言われてみればそうかもね。今回は…久々にこんなに怒ったかも」
無自覚で詩織の分まで怒っていた祈織と無意識に赦している詩織はこれでちょうどいいのかもしれない
「きっと祈織が詩織の分まで怒ってるから、詩織は怒る必要がないんだよ。そう思わないか？」
「確かに。それでバランスがとれてるんだね僕と詩織は」
嬉しそうに笑う祈織は詩織にとって最強の味方だろう
これからもずっと二人仲良くしていてほしいなと兄心に願ってしまう
Side end
”赦す”ということは私にとって永遠のテーマでもあります
赦すということは本当に難しいです
いつかはそんな広い心を持って生活出来ればと常々思っていますがなかなかうまくいきません…
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水無月のぞみ - 名前変換されてこそ夢小説じゃないの？ (2022年1月11日 6時) (
レス) id: 90a3a483bc (このIDを非表示/違反報告)
夕凪(プロフ) - ふぢさん» 最初のページに名前固定ですと明記してあります。ちゃんと読んでいただけたでしょうか？こちらも理由があって名前固定にしているので変えるつもりはありません。 (2014年12月1日 17時) (レス) id: cddaab9fd1 (このIDを非表示/違反報告)
ふぢ(プロフ) - 名前書くところ、すぐにつくってくださいやくなこと (2014年12月1日 17時) (レス) id: 06f239ce38 (このIDを非表示/違反報告)
来栖歩美(プロフ) - 更新、お疲れさまでした！ (2014年11月18日 19時) (レス) id: 709b45f807 (このIDを非表示/違反報告)
トモ(プロフ) - 完結？おめでとー(*^ω^)ﾉ♪続編楽しみにしてる！ (2014年11月18日 19時) (レス) id: 03b05e44d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夕凪 | 作成日時：2014年10月2日 1時
