全てが明らかになる時 前編 ページ40
絵麻は焦っていた
「どうして写真や便箋がないの！一昨日までは確かに有ったのに…。まさか昨日荒らした時に…！」
見つからないのだ
自分がやったことが確実になってしまう証拠が
まさか祈織が持ち出しているとは思いつかないだろう
「妹サン、少しいいかしら？」
その時、光が呼ぶ声が聞こえた
絵麻にはそれが地獄への案内状に聞こえた
「はい、なんですか光さん？」
表だけは精いっぱい繕って返事を返す
「大事な話があるの。リビングまで来てくれない？」
顔が強張っていくのがよくわかる
「…わかりました」
2人はリビングへと向かった
＊ ＊ ＊ ＊
リビングには祈織、要、詩織以外の全員がいた
誰かわからない人も2人程いる
「全員揃ったか。妹サン、単刀直入に聞く。詩織を嵌めたのはあんただな」
光のストレートな言い方に兄弟の顔が強張っていく
「どうしてそんなこと聞くんですか？何か証拠でもあるんです？」
「ここに」
光は例の写真や手紙、そしてICレコーダーを机の上に並べた
絵麻の顔色がみるみる悪くなっていく
「ひか兄何これ…？」
「これは写真ですか。写っているのは詩織ですね」
「これってどこにあったの、光？」
「写真と手紙は詩織に元に毎日届いていた。この手紙に使われた同じ便箋がこれ。詩織は隠していたみたいだけど祈織にはバレていた。で、このICレコーダーは…」
再生ボタンを押そうとしたその時
「やめてっ！押さないで！」
絵麻の悲鳴がこだまする
「どうして？自分に都合が悪いから？」
「ちがいますっ！」
「じゃあいいじゃない」
ポチッ
録音されたものが再生される
聞こえてくるのは昨日の絵麻と光のやり取り
「嘘だろ…！」
「これ、本当のことなのか…？絵麻、どうなんだよ！」
絵麻の顔が絶望に染まる
全て知られてしまった…
もうここにはいられない
絵麻はリビングから逃げ出した
しかし、その手を掴んだものがいた
「ちぃちゃん、逃げちゃダメ。ちゃんと、向き合わないと。自分のやったことなら、尚更だよ。詩織ちゃんは、ちぃちゃんのせいで、すごく苦しんだ。だけどね、ちぃちゃんのこと、心配もしていた」
「心配？どうして？私がやったのに、どうしてその相手のことを？」
「きっと、ちぃちゃんの気持ち、わかったんだと思う。1人は寂しいって、詩織ちゃん、知ってるから」
「あんなに兄弟に囲まれていたのに？」
＊ ＊ ＊ ＊
字数の関係で次に
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 272人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
水無月のぞみ - 名前変換されてこそ夢小説じゃないの？ (2022年1月11日 6時) (
レス) id: 90a3a483bc (このIDを非表示/違反報告)
夕凪(プロフ) - ふぢさん» 最初のページに名前固定ですと明記してあります。ちゃんと読んでいただけたでしょうか？こちらも理由があって名前固定にしているので変えるつもりはありません。 (2014年12月1日 17時) (レス) id: cddaab9fd1 (このIDを非表示/違反報告)
ふぢ(プロフ) - 名前書くところ、すぐにつくってくださいやくなこと (2014年12月1日 17時) (レス) id: 06f239ce38 (このIDを非表示/違反報告)
来栖歩美(プロフ) - 更新、お疲れさまでした！ (2014年11月18日 19時) (レス) id: 709b45f807 (このIDを非表示/違反報告)
トモ(プロフ) - 完結？おめでとー(*^ω^)ﾉ♪続編楽しみにしてる！ (2014年11月18日 19時) (レス) id: 03b05e44d0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夕凪 | 作成日時：2014年10月2日 1時
