祈るような思いで ページ38
その日は朝から嫌な予感がしていた
学校に行く前に詩織への書き置きを書いているときも授業中もずっと警鐘みたいなものが響いている
こんな風に警鐘が鳴り続けていたのは昔一度あっただけだ
だから余計不安になって学校が終わるとできるだけ早く帰ってきた
要兄さんや椿兄さん、梓兄さんに玄関にあったけど気にせずとりあえず詩織の無事を確認したくて急いで部屋へ向かう
けど僕の部屋にも詩織の部屋にも姿はなくて要兄さんたちに聞くとまだリビングは見てないから一緒に見に行った
ますます警鐘が鳴り響き背筋に悪寒がはしる
ガチャ
一見すると誰もいないように見える
詩織はどこに行ったんだろう？
詩織が行きそうな場所を考えていると
「詩織！詩織！しっかりしろ！」
要兄さんの焦ったような叫び声
声の方に行くと詩織がいた
口元や寝間着を血で染めてぐったりとしている
顔も青白くてまるで生気を感じられない
自分の魂が凍りついていく
嘘だ…嘘だ…嘘だ！
こんなの嘘だ！
いつもみたいにおかえりって言ってよ
いつもみたいに笑ってよ
詩織は僕をおいてったりしないでしょ
ほら目を開けて
水晶みたいに綺麗な目をみせてよ
僕は詩織に呼びかけた
だけど詩織は何も反応を返してくれない
僕の意識はそこで途切れた
Side Kaname
詩織の姿を見たとき現実だと信じたくなかった
父さんが亡くなった時とまるで変わらない姿
もうこれ以上大切な家族を失いたくないんだ！
父さん、詩織を俺の大事な妹を助けてくれ！
詩織だけじゃない
祈織のこともある
あの2人は2人で1人なんだ
どちらかが欠けたら…
だから病室で１度ふーちゃんの呼びかけで目を覚ました時は安堵した
”私は…大丈夫”
どうしてそんなに断言できるんだよ
本当は全然大丈夫じゃなかったのに
雅兄が言っていた
もし胃穿孔まで進行していたら手術しなければいけなかったって
どうして辛い、助けてって言ってくれないんだ
家族なんだから…
表では頼っている様に見せて本当に辛いことは1人で抱え込む
詩織はいつもそうだ
賢いが故に誰も頼らずに自分で解決してしまう
ねえ詩織
俺たちはそんなに頼りない？
兄弟なんだからさ、遠慮とか迷惑とか気にしなくていいんだよ
限界まで抱え込む前に吐き出してほしいんだ
頼むよ…
他の兄弟たちに先に帰ってもらい1人になった病室の中で俺は無力感に襲われていた
Side end
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水無月のぞみ - 名前変換されてこそ夢小説じゃないの？ (2022年1月11日 6時) (
レス) id: 90a3a483bc (このIDを非表示/違反報告)
夕凪(プロフ) - ふぢさん» 最初のページに名前固定ですと明記してあります。ちゃんと読んでいただけたでしょうか？こちらも理由があって名前固定にしているので変えるつもりはありません。 (2014年12月1日 17時) (レス) id: cddaab9fd1 (このIDを非表示/違反報告)
ふぢ(プロフ) - 名前書くところ、すぐにつくってくださいやくなこと (2014年12月1日 17時) (レス) id: 06f239ce38 (このIDを非表示/違反報告)
来栖歩美(プロフ) - 更新、お疲れさまでした！ (2014年11月18日 19時) (レス) id: 709b45f807 (このIDを非表示/違反報告)
トモ(プロフ) - 完結？おめでとー(*^ω^)ﾉ♪続編楽しみにしてる！ (2014年11月18日 19時) (レス) id: 03b05e44d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夕凪 | 作成日時：2014年10月2日 1時
