待ち焦がれた時 ページ33
「祈織君、詩織ちゃん何なら、食べられるかな？」
「多分何も食べたがらない気がする」
雅臣が薬を貰うため部屋を出てから3人はずっと悩んでいた
「要兄さんは、何か思いつく？」
「いや…何も。ごめんね、るーちゃん」
薬を飲むためには何か軽く食べておかなければいけない
しかし、詩織は朝から何も食べていないのでこのままでは薬を飲むことができないのだ
「こういう時の詩織って、基本的に何も食べようとしないからね。それに今は…」
「うん…。普段の食事すらまとまに食べれてなかった。だったら尚更かもしれない」
「詩織ちゃんに、何か食べられそうか、聞いてみる？」
「とりあえずそうしよう」
そして祈織は詩織を起こしはじめた
Side Shiori
「詩織、ごめんね。ちょっといいかな？」
ぼーっとする頭に私の大好きな1番安心する声が響く
その声に従って目を開けた
「なあに祈織？」
自分の声が思った以上に掠れていてびっくりする
「薬飲まないといけないから何か食べないといけないんだけど、食べたいものってある？」
食べたらまた戻してしまうかもしれない
また戻してしまうくらいなら食べないほうがいい
それに2、3日前からずっと胃がズキズキ痛んでいる
何か食べられそうにない
私は首を横に振った
「なんでもいいよ」
「いや…食べたくない…」
「でも食べないと薬飲めないよ？」
それはなんとなくわかる
でも体が受け付ける気がしない
「詩織、食べられるだけでいいから。一口でも、二口でも」
「無理して全部、食べなくていい。詩織ちゃんの、食べれる分だけ、ね」
要兄さんと琉生兄さん…
「…知ってたの？」
「うん/ああ」
「だから詩織は気にしなくていいんだよ」
気づいてくれていた…祈織だけじゃなかった
それだけで心があったかくなっていく
「泣かないで、詩織」
気づけば頬を雫が伝っていた
「もう終わるから。詩織が苦しむことはもうないから、ね」
「本当に…？」
「僕が詩織に嘘ついたことある？」
「ない」
祈織の目は本当だと伝えていて思わず祈織に抱きついた
Side end
わずか1週間でと人は言うかもしれない
けれど詩織にとっては1ヶ月や1年に匹敵するぐらいの長さだったのだろう
祈織に抱きつきながら泣いている詩織を見て俺はそう実感した
昔から我慢をする子だったから心配かけまいとして今度も耐えていたんだと思う
兄としてそんな妹に何をしてやれるだろうか？
2人の姿を見ながら俺は考えていた
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水無月のぞみ - 名前変換されてこそ夢小説じゃないの？ (2022年1月11日 6時) (
レス) id: 90a3a483bc (このIDを非表示/違反報告)
夕凪(プロフ) - ふぢさん» 最初のページに名前固定ですと明記してあります。ちゃんと読んでいただけたでしょうか？こちらも理由があって名前固定にしているので変えるつもりはありません。 (2014年12月1日 17時) (レス) id: cddaab9fd1 (このIDを非表示/違反報告)
ふぢ(プロフ) - 名前書くところ、すぐにつくってくださいやくなこと (2014年12月1日 17時) (レス) id: 06f239ce38 (このIDを非表示/違反報告)
来栖歩美(プロフ) - 更新、お疲れさまでした！ (2014年11月18日 19時) (レス) id: 709b45f807 (このIDを非表示/違反報告)
トモ(プロフ) - 完結？おめでとー(*^ω^)ﾉ♪続編楽しみにしてる！ (2014年11月18日 19時) (レス) id: 03b05e44d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夕凪 | 作成日時：2014年10月2日 1時
