向き合う時 ページ29
光が去ってからのリビングは先程以上に空気が重くなっていた
ガチャ
「雅兄ちょっといいか？」
「「「棗⁉︎」」」
「なんだ、ここに居たら悪いか？」
「今までどこにいたの？」
「梓たちには関係ない。俺が用があるのは雅兄だけだ」
「関係ないってそんな言い方ないだろ！」
「お前がそれを言えるか、昴」
「っつ！」
「お前たちが詩織にしてきた事と何が違うんだ」
「今の私たちに反論する資格はありませんよ」
「棗、僕に用って何かな？」
「詩織のことを診てほしい」
雅臣の顏が驚きに染まる
「僕が…？だって僕は…詩織のことを信じてあげられなかった…。体質の事だって知ってたのに兄弟を止めようとしなかった…。そんな僕が、詩織を診る資格なんてない…」
ガッ
鈍い音がリビングに響く
棗が雅臣の胸ぐらをいきなり掴んだのだ
「棗っ！離しなさい！」
「なっくんこわいよぅ」
棗の顏が怒りが滲む
「資格がない？そんな資格いつ誰が必要だなんて言ったんだ！自分に都合のいいこと言って詩織と向き合うことを避けてるだけじゃないか！」
「そんなこと…」
「ないって断言できるのか？今の雅兄にはできないよな。それなら祈織や琉生の方がよっぽど大人だ。あの2人は自分の感情を抜きにして今の詩織にとっての最善を選んだ。それに…詩織がどんな思いでいるか想像できるか？」
嵐の様な激昂から棗の声が切なさを帯びていく
「詩織は…あいつはな無視されて傷つけられてもまだ…どこかで兄弟の事を信じてるんだよ。心も体もボロボロになってもまだ…1人はいやだ、寂しいんだって…行かないでって叫んでるんだよ！どうして…どうしてその手を取ってやれないんだ！」
「嘘だ…」
誰かが呟いた
「嘘じゃない。詩織がそう簡単に兄弟を嫌いになれるはずがないだろう。何年詩織と生活してきたんだよ」
ふわっ
「だから、逃げずに詩織と向き合ってほしい」
「…弟に悟らせられるなんて兄失格だな。わかった。部屋から聴診器を持ってくるから」
「頼む」
雅臣は自室へと向かって行った
「京兄も椿も梓も昴も侑介も弥もだからな。祈織と琉生、それにひか兄がついてるからそう簡単に会わせてもらえるとは思えないが」
詩織が関わると性格が一変する3人だ
ある意味兄弟で最もやっかいな3人である
要は表立っては言わないが、さりげなく口を挟んでくるだろう
結局4人とも怒らせると大変なのである
残された兄弟はこの世の終わりの様な顏をしていた
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水無月のぞみ - 名前変換されてこそ夢小説じゃないの？ (2022年1月11日 6時) (
レス) id: 90a3a483bc (このIDを非表示/違反報告)
夕凪(プロフ) - ふぢさん» 最初のページに名前固定ですと明記してあります。ちゃんと読んでいただけたでしょうか？こちらも理由があって名前固定にしているので変えるつもりはありません。 (2014年12月1日 17時) (レス) id: cddaab9fd1 (このIDを非表示/違反報告)
ふぢ(プロフ) - 名前書くところ、すぐにつくってくださいやくなこと (2014年12月1日 17時) (レス) id: 06f239ce38 (このIDを非表示/違反報告)
来栖歩美(プロフ) - 更新、お疲れさまでした！ (2014年11月18日 19時) (レス) id: 709b45f807 (このIDを非表示/違反報告)
トモ(プロフ) - 完結？おめでとー(*^ω^)ﾉ♪続編楽しみにしてる！ (2014年11月18日 19時) (レス) id: 03b05e44d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夕凪 | 作成日時：2014年10月2日 1時
