声なきメッセージ ページ19
Side Iori
翌朝いつも通りの時刻に起きた僕は腕の中で眠る詩織の顔を見ていた
昔から2人で寝ると必ず僕の方が起きるのが早くて、詩織が起きるまでこうしていることが多かった
眠る詩織の顔は贔屓目なしに見ても綺麗だ
この寝顔は兄弟の殆どが見たことがない
だけど以前と比べて明らかに細くなったなと思う
顔色も決していいわけじゃない
このままだと本当に詩織が壊れてしまうんじゃないかと心配になる
その時詩織が腕の中で身動ぎした
「詩織？」
「…おはよういおり」
少し掠れた声に潤んだ瞳
「詩織ちょっとごめんね」
手を額に当てるとびっくりする程熱かった
詩織が僕の方に体を寄せてくる
「さむい…」
「ちょっと待っててね」
ベッドから降りて仕舞ってあった布団を掛けるとついでに体温計を渡す
ピピッ
はいと僕に体温計を手渡すとぼうっとしている
「38.9…詩織、辛いだろうから眠っていいよ。今日は1日ずっと側にいるから」
「うん…」
直ぐにまた眠りに落ちた詩織
体の疲れと精神的な疲れが一気に出たのかもしれない
キッチンでタオルを水で冷やして額に乗せると少し表情が和らいだ
早くよくなるといいけどな
Side end
コンコン
「祈織君？」
ノック音は琉生兄さんだった
「朝、いなかったから、要兄さんが、心配してたよ」
「詩織が久々に熱出してて、側にいたからね。要兄さんにも伝えておかないと」
「熱高いの？」
「38.9度。かなり苦しそうなんだ」
「僕が側にいるから、祈織君はご飯、食べてきたら？」
「わかった。ついでに伝えてくる」
そして僕はリビングに向かった
Side Louis
祈織君のベッドで眠ってる詩織ちゃんは顔が真っ赤ですごく辛そうで僕が変わってあげられたらと願わずにはいられない
ちぃちゃんが来てから詩織ちゃんは笑わなくなった
貼り付けた笑顔ばかりで祈織君と良く似た優しい微笑みは殆ど見ていない
僕はその笑顔が大好きだから見られなくてすごく寂しい
ちぃちゃんも兄弟もきっと気づいてない
詩織ちゃんがご飯を食べられなくなってることも眠れなくなってることも
お願い気づいてあげて
取り返しがつかなくなる前に
誰よりも家族思いで優しくて寂しがり屋な詩織ちゃんからの声なきメッセージに
このままだと全て手遅れになっちゃうかもしれないんだ
祈るような思いで僕は詩織ちゃんの伸ばされた手を握った
Side end
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水無月のぞみ - 名前変換されてこそ夢小説じゃないの？ (2022年1月11日 6時) (
レス) id: 90a3a483bc (このIDを非表示/違反報告)
夕凪(プロフ) - ふぢさん» 最初のページに名前固定ですと明記してあります。ちゃんと読んでいただけたでしょうか？こちらも理由があって名前固定にしているので変えるつもりはありません。 (2014年12月1日 17時) (レス) id: cddaab9fd1 (このIDを非表示/違反報告)
ふぢ(プロフ) - 名前書くところ、すぐにつくってくださいやくなこと (2014年12月1日 17時) (レス) id: 06f239ce38 (このIDを非表示/違反報告)
来栖歩美(プロフ) - 更新、お疲れさまでした！ (2014年11月18日 19時) (レス) id: 709b45f807 (このIDを非表示/違反報告)
トモ(プロフ) - 完結？おめでとー(*^ω^)ﾉ♪続編楽しみにしてる！ (2014年11月18日 19時) (レス) id: 03b05e44d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夕凪 | 作成日時：2014年10月2日 1時
