男装少女は毒舌！？〜四天〜

１７　　接戦 ページ17

白夜たちは、コートに入る。白石たちは、ベンチに座る。サーブは一氏からだ。試合を始める前に、財前に白夜が歩み寄った。

白「財前先輩。」
財「なんや？」
白「前衛・後衛どっちがいいスか？」
財「・・・じゃぁ、前衛で。」
白「了解ッス。好きに動いてくれて構わないんで。」

白夜はそういうと、レシーブの位置についた。財前も位置につく。すると、白夜は呆れた表情を見せた。

白「なんちゅー格好してるんや？」
金「うちらのテニスは、お笑いテニスなんよ。」
白「ふーん。」
ユ「行くで！」

一氏が高く、ボールを上げる。白夜は身構える。

ユ「はっ！」
白「・・・。」
パンッ
金「いい球返すやない♪」

白夜はレシーブをすると、真ん中に立つ。

蔵「？白夜は何を考えてるんや？」
千「あんなところに立っとったら、クロスを狙われるばい。」

財前が、ボレーに出る。すると、白夜は財前がボレーに出た、反対方向に走り出る。

金「甘いでぇ！」
白「そっちこそ。」

白夜は、走りかけていた足をひねり、方向を変える。すぐに、ボールに追いつく。

白「よっ。」

白夜が打ったボールは、財前に向かって行く。

蔵「！？財前に当たるで！」
白「・・・トリック・・陽炎。」

すると、財前の背中に当たる瞬間にボールが消えた。

楓「消えた！？」

ボールを捜そうと、全員がコート内を見渡していると、スパンッと音がした。

白「後ろ。」

白夜が、一氏の後ろを指差した。そこには、ボールが転がっていた。

ユ「な！」
白「舐めてると、痛い目にあうで？」
金「言うてくれるじゃない。」

それからは、お互い一歩も引かない試合だった。

白「乱桜・・・夜桜。」

白夜がそう言うと、金色たちの動きが一瞬止まり、点が入る。

結果は、財前チームが勝利した。

白「ハァハァハァ・・・疲れた。こんなに技連発したの、久しぶり・・・。」
財「ハァハァハァ・・・。」
金「負けちゃったわー。悔しいー。」
ユ「あと、ちょっとやったんやけどなぁ。」

白夜が座り込んでいると、楓が走り寄って来た。


―――――――――――――――――――
♪乱桜 夜桜 ランオウ ヨザクラ

一瞬だけ、相手の視界を黒に染め、動きを止まらせる。
ボールが跳ねた場所には、桜が散る幻影が見える。

♪トリック 陽炎

ボールに、縦回転をかけ、一瞬のうちにホップさせ、空高くに飛ばす。

１８　　えー。めんどいなぁ→←１６　　ダブルス

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