Fireworks. (ページ19)

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チョコレート作ってみたんだけど、欲しいですか？
メッセージでくにちゃんにそう尋ねると、中々の即レスで「ほしい！」という返信が返ってきて、そのまま夜。お仕事が終わったのか私の家のインターホンを押すくにちゃん。扉を開けると、そこには少し息を切らしながらもとても笑顔なくにちゃんがいて。あ、急いできてくれたんだ、と思うと私まで嬉しくなってつい笑顔になってしまう。少し可愛くラッピングした箱を渡せば、目をきらきらさせながら「あけていい！？」と聞いてくるくにちゃん。…前まではそんな彼の事を、ただの幼馴染としか思ってなかったのに。今では、そんな彼を見て、とても心がぽかぽかとした気持ちになる。私ももう子供ではないし、この気持ちが何なのかは理解しているつもりだ。「ねえ、くにちゃん」「ん？」「そのチョコ、本命だって言ったらどうする？」私がそう尋ねれば、暫く固まって動かなくなった後、一気に顔を赤くして口をはくはくさせるくにちゃん。…前も思ったけど、本当に、気持ちを隠すのが下手くそだなあ。「……あの」「ん？」

「……そんな事言われると、俺の都合のいいように解釈してしまうけど大丈夫ですか?」

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「Aちゃん」「んー？」「…今日、バレンタインですよ」彼にプロポーズされ、一緒に住み始めてから迎える初めてのバレンタイン。夜になっても私が何も渡さなかったからか、そわそわして落ち着かない様子で私にアピールをする目の前の彼のことがとても可愛くて愛おしくて仕方なくて。もう少し意地悪してしまいたくなる。「うん、そうだね」「そうだね、……って、それだけ？もしかして今年は何も用意してない感じですか…」そんな事を言いながら落ち込んだような表情をする伊藤ちゃんが、少し可哀想になってきたので流石にこれ以上意地悪し続けるのもあれだな、と思い「ごめんごめん」と謝りながら彼が待ち望んでいたものを差し出す。「………焦った、今年はもうないのかと思った」「ごめんね、少し焦ってる伊藤ちゃんが可愛くて、つい」私がそう言えば、少しむっとしたような表情をしながら口を開く伊藤ちゃん。可愛い、と言われたことに納得いってないのだろうか。でもそんな所も可愛いなと思ってしまうくらいには、私は目の前の彼にめろめろなのである。

「……Aちゃんの方が、可愛いと思いますけどね」

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・→←＊HappyValentine＊