Fireworks. (ページ17)

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ただ、好きになったとはいえ別に今のこの関係を壊す気なんて全くない。もしも仮に付き合えたとしても、行き着く未来は結婚か、別れか。この2択しかない訳で。彼女の事を1人の女性として好きなのは勿論だが、1人の人としても尊敬しているので彼女と今後話せなくなったり気まずい関係になったりするのはごめんだ。

「高比良はさ」
「うん」
「永遠って、あると思う？」

……あ、またその話だ。
彼女はお酒が回ると、ほぼ必ずこの話をする。

「いつも言ってるけど、ないと思うよ」
「…やっぱり、ないよねえ」
「まあ勿論あれば嬉しいし、あるって信じたい気持ちはあるけどね」

でもそんな言葉、口にするのは簡単だが実際叶えるのは難しいのも事実だ。実際、俺のファンでいてくれてる子の中にも「ずっと好きです！」「永遠に応援します！」とか言ってくれていたのに、気付いたら居なくなっているなんてことざらにある。悲しい話だが、これが現実である。

「私さ、好きな人にとって、永遠の存在でいたいんだよね」
「うん。何回も聞いたよ、それも」
「んふふ。だから例え嫌いになられたとしても、その人が死ぬまで記憶に残っている女でいたいし、叶うならその人の人生の終わりに思い出す人は、私がいいなあ、って。そしたらその人の中での私という存在は、永遠にい続けるから」

……ねえ、さっきから会話に出してる「その人」って、誰の事を思い浮かべながら言ってるの？なんていう出かけた言葉を、ぐっと抑えるように俺もグラスに残っているお酒を一気に飲む。そんな、誰かに恋焦がれてるような表情、しなくていいんじゃないの？てか貴方が言ってるその人に、俺はなれないの？なんて。

「高比良」
「何、どうしたの今日は」

「……高比良が最後に思い出す女の子は、私がいいな」

彼女からのそんな言葉に、手に持っているお箸を思わず落としそうになる。待って、待ってよ。さっきの話の流れからそんな事言われたら、少し、期待してしまうんですけど。

「…酔ってる？」
「んふふ、ちょっとだけ」
「……はあ」

本当に、罪な女の子だと思う。次の日には酔っ払ってて覚えてませんパターンだろうか。ああ、でもいいよ。それでもいい。お酒のせいだとしても、彼女の口からそんな言葉が出たことに気持ちが舞い上がってしまっている。だから今から発する俺の言葉も、きっとお酒のせいだ。