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金髪にわざわざ嫌いと言われた。少し驚いたが、昨日から今までを鑑みて、はっきりとしたその物言いが心地よかったりする。少し嬉しい気持ちもあり、『私も嫌いだ。』なんて格好つけた。
四時間目が終わり、また昼休みが来た。今日は母が弁当を作ってくれたから静かなとこで食いてえな
弁当の入った布袋を持って良いところがないかぶらぶらと校舎内を歩く。
そういえば、昨日行った中庭にベンチがあったな、と思い出してそこ食べようと向かう。
中庭に着くと、やはり心地のいい風が吹く。欠伸をしてベンチに座り弁当を食べる。弁当の味は前の母さんを思い出す。
勝手に番組に応募しやがった母だが、私にとことん自由を教えてくれた。
「ん、ごちそうさんでした!」
食べ終わって黄昏ていると、ふと歌を歌いたくなる。歌手デビューしたかったな、なんて思いながら、一節を口ずさむ
「…ゆらり、ゆるりと波打つ風
木陰で踊る一輪の花
幾千年の旅を終えて
ガラスのような故郷へと
夢を高く燻らせて
…ゆらりゆるりと記憶をたどりましょう」
直喩とも取れる様な比喩に塗れた詩、この歌にはさまざまな考察がある。木陰で踊る一輪の花は木陰で遊ぶ1人の少女を指している、やら、歌い手はもう亡くなっている、やらあげ始めたらキリがない。
思い浮かばせる情景は、まるで今いる庭の様だ。
…花は数えきれんほどあるけど
目を瞑って、欠伸をする、お日様あったけえし、風は涼しいし、木葉の揺れる音はオーケストラ並みのいいBGMやし、余裕で寝れる。
「〜っ…っはぁ〜」
すると、隣の木から揺れる音が聞こえた。ガサガサっと何かが落ちる様な音、それを目で追って見上げると、人間が落ちかかっているのが見えた。
「はあ!!?」
反射的にその人間の下へ行き、キャッチしようと両手を広げる。スローモーションで見えた落ちてくるシーン、ずっしりとくる人1人の重み
「ぐ、あぁっ!!」
今までなら余裕で持てた重さが、今じゃ大岩でも持ってんのかってくらい重く感じる。どうにかしてそいつの頭だけは抱き締めて守った。心臓がバックバクだ。
今落ちてきた奴が私の上に覆い被さっている状態、なんならそいつは私の胸に顔を押し付けられている。仕方ねえだろ気持ち悪くても文句言うなよ…
「おい、大丈夫か」
「…」
「…え、死んでる?」
急いでそいつの肩を掴み起こす。
そこには多分落ちた衝撃で呆然としているであろう女顔が居た。体は男だが顔面はガチでマブイ女
「死んだと思た…」
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まる(プロフ) - これからどんな風に彼女が上に立って行くのか、彼らの横に並ぶのか、とても楽しみにしています。 (11月14日 13時) (レス) @page23 id: dba6e6f19e (このIDを非表示/違反報告)
ちょい。 - 話とイラストどっちもできるってまさに神作者様じゃないか!(上から目線ですいません。)ところで画力くれまs((殴 (11月11日 11時) (レス) @page6 id: ee761176f2 (このIDを非表示/違反報告)
おもち - すぅぅぅ…(空気うめぇ)イラスト上手すぎ!!!ちょっとその画力自分にも分け(((殴 (2022年1月4日 13時) (レス) @page22 id: 72ec8d6b5a (このIDを非表示/違反報告)
脅威のセラフ@wrwrdファン(プロフ) - 絵うまぁ…その画力うちのくそ姉貴に分けてやってくださいbyヤマザクラ (2022年1月3日 23時) (レス) @page22 id: 602d714d2e (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - これからも無理せず頑張ってください!楽しみにしてます!画力は少しずつ吸い取らせて貰いまs(((((← (2021年11月18日 18時) (レス) @page19 id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沫手 飾 | 作成日時:2021年10月12日 0時