君と僕だけの時間 2

話してほしい ページ24

文化祭の打ち合わせを終え、駅に向かって歩いていた。
駅の前のベンチに、見覚えのある人物が座っている。
『……拓也君』
私に気付いた拓也君がベンチから立ち上がってこちらに近付いてきた。
『ここで何してるの？』
「……お前をずっと待ってた」





「今日、一日中あきらと一緒におったの？」
『誰が、そんな事を……』
「義勝からLINEきた。これと一緒に」
拓也君はスマホの画面を私に見せてくれた。
画面には、首藤君からのメッセージとメールをスクショした画像。
メールには、




『ごめんなさい。私、GENが好きだから』




と書かれている。
これ、私が打ったメールの画像……？
何で首藤君が持ってるの？
「……GENがお前の事が好きって言いふらしたのは、KOUHEIやろ？」
『それは分からないけど、そのメールは私がKOUHEI君に送ったものだよ』




『KOUHEI君だけは、私が一人でも側にいていれたの。そんな時、急に告白されて。断った数日後に、ロッカーに閉じ込められたの』
「……KOUHEIがやったのか？」
「閉じ込めたのはクラスの女子で、助けてくれたのはKOUHEI君だよ」
「その前にGENが助けに来てたんやろ？逃げ出してるから、KOUHEIが何か告げ口したのか……。まあ、そんなのどうでもええ」
拓也君はスマホをしまう。
「お前、俺に言ったよな？俺が知りたいって。弱い部分も見せて欲しいって。俺もAの弱い部分を見せて欲しいし、Aが知りたい」
拓也君は、辛いそうな顔で私を見つめる。
「お願いやから、全部話して欲しい」





『私も、いつか話さないといけないと思ってた』
拓也君なら、全部受け止めてくれる筈だ。
私とフォーリミの間に何があったのか。
今、全て話そう。

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