涙の人形、壊れた主 ページ18
「ある高校で、一人の女子生徒を狙ったいじめがあったらしい。いじめていたのはクラスメイトの女子数人で、他の生徒や教師は見てみぬフリ」
「実は、いじめた女子たちにフォーリミのGEN君がその子が好きだと噂を流した人物がいたんだ。その人物というのは……」
「別のフォーリミのメンバーですか？」
あきらが川上洋平の言葉を遮って聞いた。
「その通り。その後、いじめられた女の子はクラスで孤立。それでもGEN君は、その女の子を助けようといつでも一緒にいたらしいけど、急にその子から離れた。そこから先は俺も知らない」
いじめられた女の子はAに間違いない。
だが、GENはなんで急にAを見捨てたんや？
『……違う！！』
聞こえる筈のない、彼女の声が生徒会室に響く。
生徒会室の入り口の前にAが立っていた。
『フォーリミは、そんな事する人たちじゃありません』
「水沢さん、本当に山中君の事が好きなの？」
Aが生徒会長の言葉にひどく動揺している。
それは、俺の事が好きではないから……？
じゃあ、何故さっきあんな事を……？
「GEN君が構ってくれなくなったから、山中君に構って貰って気持ちを紛らわしてたんじゃないの？」
『……！！』
「A！！」
Aは走って生徒会室を出ていった。
俺はすぐに後を追った。
本当の事が聞きたかったから。
「A、待てって！！」
彼女の腕を掴み、彼女の足を止める。
「お前、もしかして何か知ってるんちゃうんか？」
『……知らない』
「GEN以外の三人の誰かが、お前の事……」
『……何もしてないって言ってるでしょ！！』
「……！！」
振り返った彼女の顔に、涙が流れていた。
それを見て、俺は思わず腕を離した。
『もう、放っておいてよ』
彼女は再び走って教室の方へ向かった。
何も出来なかった。
生徒会長にあんな事を言われて苦しそうだったのに。
辛さが溢れて、涙を流していたのに。
あんな姿初めて見た。
いや、見たくなかった。
「拓也！」
後ろからあきらとしげが追いかけてきた。
「"ロッカー事件"って何や！俺、具体的に何されたかは知らんぞ！説明しろ！！」
「……俺の」
「ん？何や？」
「……俺の人形が、……彼女が、……泣いてたのに」
何も考えたくない。
「……守れないなんて」
消えてしまいたい。
「……俺は」
俺は、もう彼女の側にいる資格はない。
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神吉ひなの(プロフ) - ほんとに更新お願いします。いいところで止まってしまっているので、、 (2017年8月28日 14時) (
レス) id: 8d3e88b876 (このIDを非表示/違反報告)
ふわり(プロフ) - きたの赤身さん» いえいえ！こちらこそすごく楽しませてもらってます！作者さんの文才に感心しっぱなしです！！笑これからも応援してます！！(*´∇｀*) (2017年3月5日 12時) (レス) id: bbf1916b32 (このIDを非表示/違反報告)
きたの赤身(プロフ) - ふわりさん» コメントありがとうございました！凄い励まされたので更新頑張ります！ (2017年3月5日 2時) (レス) id: 5637995c07 (このIDを非表示/違反報告)
ふわり(プロフ) - コメント失礼します！とっても面白いです！物語の世界に引き込まれました！！是非更新していただけると嬉しいです！ (2017年3月2日 20時) (レス) id: bbf1916b32 (このIDを非表示/違反報告)
きたの赤身(プロフ) - 月苺さん» ありがとうございます！KOUHEIさんをブラックキャラにしていいのかと思いながら書いていたので(笑)、気に入って頂けてるなんて嬉しいです！更新頑張ります！！ (2016年12月16日 15時) (レス) id: 5637995c07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きたの赤身 | 作成日時：2016年11月8日 3時
