君と僕だけの時間 (ページ34)

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その31 犯人と真相ページ34

結局、授業には出ずに教室であきら君とずっと話してた。
山中君は、会話に参加せずに私とあきら君が話しているのをずっと見つめていた。
表情が、何故か楽しそうだったけど。

授業が終わるとクラスの皆が教室に戻ってきて、この三人しかいない状況にざわつきが止まらなかった。
「A！何があったの！？」
麻衣ちゃんが慌てて私に駆け寄って心配してくれた。
『なんか、閉じ込められちゃったみたいで……。でも、大丈夫だよ？』
「良かった～！私が一緒にいればこんな事にならなかったのに……」
『……心配かけてごめんね』

昼休み。
昼食を終え、私は麻衣ちゃんとあきら君と山中君の四人で教室を出て外に向かった。
「麻衣、説明しろや。何でお前が鍵を持っていたのか」
あきら君が、麻衣ちゃんが鍵を持っていた事を話してくれた。
『麻衣ちゃんが鍵を掛けたって、ウソだよね？』
「あきらのせいだよ」
麻衣ちゃんが口を開く。
「あきらがAと楽しそうに話してるから、嫉妬しただけよ。ちょっとAを驚かそうと鍵を掛けただけ」
「拓也まで巻き込まれたんやぞ！？」
「ええで。俺、元々授業出る気なかったし」
山中君は気の抜けた返答をした。
こんな緊迫とした中で、呑気そうにしてるなあ……。
「森田さんも寂しかったんやろ？俺が水沢さんとあきらを見て嫉妬してたかのように」
麻衣ちゃんが俯いてる。
山中君はなんでも分かってしまうんだね。

「私だって、あきらと一緒いたいよ。Aばっかりズルいよ……」
麻衣ちゃんが泣きそうになっている。
あんなに大人っぽくてかっこいい人だと思っていたのに。
こんなに女の子らしい部分あるんだ。

「お前らしくないなあ。そんな事しなくても、俺はお前の幼なじみなんやから、だから泣くなよ」
あきら君は麻衣ちゃんの頭を撫でる。
「幼なじみじゃダメなの！どうしてあんたは分かんないのよ、この金髪馬鹿！！」
「いだいー！！！」
麻衣ちゃんはあきら君の手を振り払い、平手打ちを食らわせた。
「ごめんね、A。こんな事で嫉妬するなんて馬鹿だよね。もう、しないから」
『うん。麻衣ちゃんの事、これかも友達として信じていいんだよね？』
「もちろん！」
私と麻衣ちゃんは握手を交わした。

「痛いやないか、この怪力女！！」
「はあ？次は蹴るわよ？」
「う……、すいません……」
麻衣ちゃんに叱られるあきら君を見て、笑いを堪えるのに必死だった。

この二人、お似合いだと思うんだけどな。