君と僕だけの時間 (ページ28)

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その26 告白ページ28

翌日から、山中君は駅に迎えに来なくなった。

私はあきら君と麻衣ちゃんと登下校をするようになり、拓也君は私を避けるかの如くしげ君と登下校をするようになった。
山中君は、用事がある時以外は私に話しかけない。
「水沢さん」
でも、笑顔とその優しい雰囲気は相変わらずだった。
私と山中君は人形と主人ではなく、
ただのクラスメイトの関係に戻ったんだ。

私が山中君の人形じゃなくなって三日。
放課後、廊下で佇んでいたしげ君に話しかけた。
『しげ君』
しげ君は驚いている。
「今、しげって呼んだ？」
『えっと、あきら君に言われて……』
「そ、そうか(あいつ、余計な事を……)」

「昨日の練習、最悪だったで」
『え？』
「練習始まる前から緊迫した感じで。あきらが拓也に突っかかってきて、拓也も最初はとぼけて返してたんやけど…。とキスしたってあきらが言った瞬間、拓也が出て行って、そのまま帰って来なかったんむたや」
嘘でしょ？
あきら君、なんで言ったの？
二人だけの秘密って言ってたのに。
しかも、なんで山中君に言ったの？
「A、どこ行くんや！？」
「教室戻る！あきら君が待ってるから！！」

『いた……。あきら君！』
「A、遅かったな。さあ、帰ろうや」
『待って！山中君にこの間の出掛けた時の事言ったの？』
「……拓也から聞いたの？」
『しげ君から……』
「うん、言ったで。あとキスの事も」
『秘密って言ってたのに、どうして……』
「どうしてって、それは、Aは俺のモンやから」
山中君みたいな事を言っている。

「A、どうか、俺の彼女にやって欲しい。」
どうしよう。
助けて……、山中君。