鬼札【鬼滅の刃】 弐

伍拾 ページ7

胡蝶「あの・・・さっき言った鬼舞辻無惨と違う種ってどういうことですか？」


貴「そのままじゃ。鬼というても鬼舞辻無惨とその配下だけじゃない。


妾はそうじゃった。人を喰うどころか何も喰わなくても生きていける。


約束を重んじ、人里から離れて暮らしておった“鬼”。


・・・じゃが、妾の母が鬼の村の長であったとき奴らは襲ってきた。


“完璧”を求めて・・・。


人を超えてはいたが不死の存在ではなかった。


妾の目の前で両親を殺し、親族を殺し、村の者を殺した。


だが、奴は妾のことを気に入ったようでのう・・・。


一回に大量の血を与えられた。」


時透「でも、その血に耐えることができた・・・のですか？」


貴「)コクッ 奴の血を自分の血に取り入れ、呪いを無力化した。


両親達の元に逝こうと何度も死のうとした。


藤の花の毒を何度飲んでも死ななかった。


鬼舞辻無惨の名を呼んでも死ななかった。奴が気に入っているからその呪いを解除したのじゃろう。


最後に日光に当たって死のうとした。


しかし、神様もひどい者じゃ。


当たっても死ぬどころか焼けもしなかった。


＿＿＿そして、妾は死ぬことを諦めたのじゃよ。」


宇髄「諦めたって・・・、死ねないのか！？」


貴「死ぬことが許されぬとは辛いものよ。愛する者、友の死を見届けねばならなかった。


一緒に死のうと思っても、死ねなかった。」

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