こんな私でも好きになってくれますか？ (ページ1)

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みんそくside

「みんそが、ごめんね。またお父さんが転勤しなくちゃいけなくなって。今度はまた日本に行かなきゃいけないの。」

今日もいつも通り部活を終えて帰ると、申し訳なさそうにそう言った母さん。

はぁ、、また転勤か。

うちは父さんの仕事の都合で何度か転勤を繰り返している。

2、3歳の頃から小学校に入る前までは日本で生活したこともあったし、韓国に帰ってからも4回転校を繰り返していて、いつもせっかく仲良くなれた友だちと離れるのが悲しくてだんだん親しい友だちを作らなくなったりした。

だけど、そうやって人と必要以上に親しくならないように作っていた壁を壊してズカズカ入ってきたやつがいる。中学2年生で転校したとき隣の席になったルハンだ。

ルハンは本当に優しいし顔も綺麗で勉強も運動もできて人気者だった。転校してきたばかりで友だちがいなかった俺にもいっぱい話しかけてくれたけど、やっぱり人と仲良くなるのは怖くて、ルハンには申し訳ないけど最初は少し避けてしまった。それでも彼は毎日、おはよう、また明日ねって言ってくれたし、昼ご飯一緒に食べようって誘ってくれて、それから自然と少しずつ心を開いていろんな話しをしてみるといろんな共通点があったんだ。

サッカーが好きなこと、東方神起が好きなこと、中2なのに毎日欠かさずコーヒーを飲むこと。

そして、ルハンも実は中国人で小学生のときに韓国に来てたくさん苦労したこと。

国籍は違うけど誰よりも分かり合えて、一緒にいると落ち着いた。

結局中学ではルハンに誘われたサッカー部に入ってルハンの他にもたくさん大切な仲間ができたし、それからルハンと同じ高校を受験してまた同じサッカー部に入った。今15歳、高校一年の俺の人生の中でルハンといた２年半くらいの時間は１番充実してたかもしれない。本人の前では言えないけどね(笑)

転校は今回が初めてじゃないし、もう慣れっ子だったはずだけどルハンと離れるのはやっぱりちょっとだけ寂しい。

久々に思ったよ、転校なんて嫌だって。ルハンがいない学校ってどれだけつまんないだろう。しかも暮らしたことがあるとはいえ日本は外国だし。

でも俺は、父さんも母さんも好きでそうしてるわけではないし、俺だけが韓国に残ると言えば生活費が余分にかかって家計が苦しくなるのが逆に申し訳なくて、行きたくないとは言えなかった。

明日部活が終わったら日本に行くこと、ルハンに伝えなくちゃ。