美形嫌いのチキュートリップ【王様戦隊キングオージャー】

職を探せ！ ページ26

「やっぱり、気になることと言ったらAの就職先よね…」
「やはりそうなるか」

お茶会も一通り盛り上がり締めのムードに入ろうとしていた時にヒメノがポツリと呟いた。

『就職…確かに。私今完全にギラのヒモだ』
「ひ、ひも？ロープのこと？」
『ううん、元いた世界の言葉。職なしってこと』
「生活していくとなると…衣食住、これらを支える為に何かの職に手をつける必要はある」

うんうん、とヒメノが頷く。

「まあ、最初から決まってる話だけど。…A、私の元でメイドとして働くでしょう？」
「待て、ヒメノ。Aはゴッカンで裁判官見習いになってもらう」

にっこりと笑うヒメノと仏頂面のリタ。対になった表情を浮かべる二人に挟まれ混乱が生まれる。

『わ、私は別にどこでも働けるよ？別に二人のツテで職を見つけようだなんて思ってないから…』

急いで弁明をする。別に私一人でなんとかできる問題でもある、それにギラだって私が働きだすと言ったら勤務先を探してくれるはず。

「どこでもはダメよ。貴方が危険にでも晒されたら私耐えれない」
「あぁ、Aは分かってないかもしれないが私はAの安全を思っているだけだ」
「だ、か、ら…」

共に自分のもとで働けと言う二人になんて返事をすればいいのか分からず助けを求めるが、セバスさんは髭を触りながら知らんぷり。

『え、え…私』

その時バン！と大きな音がして温室のドアが開かれる。

「おい、あのタコメンチが言ってたシュゴットと話せる流れ者はどこに居る？探しに来た」
「…あらやだ、品がないわ」
「同意。そして奴が言ってる流れ者と言うのがAならば、接触は避けたい所だが」

(なになになに！？)

いきなりの出来事に状況が掴めないまま呆然と立ち尽くす。…流れ者って、私のことだよね。だとしたら。

「よう、お姫様と裁判長。今探してる奴がいるんだが見覚えねえか？」
『ひいっ！』
「ん？何だこいつ初めて見る顔だな」
「この子は私達のただの友達、貴方の探している流れ者とやらなんて見てないわ。分かったらさっさと出ていって頂戴」

ヒ、ヒメノ…！

凛として対応をするヒメノに感謝しつつリタの背中に身を隠す。ちょっとしか見ていないが、今現れたこの人物。
…。金髪リーゼントにジャラジャラついたアクセサリー、整った顔に不釣り合いなそれら全てが恐怖を掻き立てる。

(やばいヤンキーに目をつけられた…！)

助けを求めるようにリタの服をぎゅと握る。

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