番外編7ラクレス・ハスティー ページ25
「おいゴラ、ラクレス!てめえ何Aと二人だけでクリスマスパーティーしてんだよ」
機械越しに大声がキンと細かに響く。
「何のことだヤンマ・ガスト。お前が私の伝えた会場場所を見間違えただけだろう」
更に文句を言われる前に電話を切る。これで6人全員からの苦情を受け付けた。ここに向かって来るまで短くても30分、それだけあれば十分Aと一緒に入られる。
「すまない、待たせたな」
『ううん、全然。ていうか何の連絡?』
「どうやら、私たち以外の6人全員が遅れて来るらしい」
『え、それって王様としてどうなの』
何の疑いも持たず私の言うことを信じるA。その姿が可愛らしくもあるがやはり危険な目に遭わないかと少し心配になる。
「先にクリスマスプレゼントを渡しておこう」
『え、貰ってもいいの?』
「勿論、可愛い妹分のためだ。何も気にすることはない」
『ありがとう、…わ、かわいい』
箱からは小ぶりの宝石があしらわれたペンダントが出てきた。
「君に似合うと思って選んだんだ、是非つけてくれ」
『うん』
Aがペンダントをつけ終わる。ほんのりと赤みを帯びた宝石は白くきめの細かいAの肌をそっと彩っている。
『嬉しい、今までこんな素敵なアクセサリー貰ったことない』
「君の過去の男なんてたかが知れてるような奴らばかりだろう」
記憶を上書きするようにとプレゼントを渡した。名目上は可愛い妹分の為、本音は周りへの牽制そして私を意識してもらう為。
「A…」
「おい!やっと来てやったぞ、この腹黒王がよ!」
ヤンマ・ガスト、タイミングの悪い男だ。蹴破られた扉からは次々と他の王達も入ってきた。
『みんな、遅れて来るなら一言言ってよね!私とラクレスのこと待たせすぎ。ね、ラクレス』
「あぁ、全くそうだな」
「はあ!?」
口々に文句を言って来るが私としてはどこ吹く風だ。なぜなら、あいつらに囲まれたA。その首元で私からのプレゼントが光り、その主人が誰であるかをひっそりと示しているから。
しかも奴らはそれを知らない。
「次は妹分などと言う建前なしだ」
以上でクリスマス番外編終了です。
いつも呼んでくださっている皆様、皆様のおかげで作品が書けています。そして、そのお礼と言っては何ですがこちらの番外編をクリスマスプレゼントとして受け取って頂けたら幸いです。
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さもえど(プロフ) - *桜もち。さん» コメントありがとうございます😭こちらこそ素敵なイベントに参加させていただいて光栄です!あと、すごく楽しいです!作品の感想もありがとうございます!!! (12月22日 16時) (レス) id: c71a97a44f (このIDを非表示/違反報告)
*桜もち。(プロフ) - イベント参加ありがとうございます💖トリップ系あまり読まないですが、とても面白いです✨ゲロウジームを可愛く思ったりリタ様の趣味に気付いたりする夢主ちゃんが愛おしいです…!続き楽しみにしてます! (12月21日 19時) (レス) @page18 id: 17da285f26 (このIDを非表示/違反報告)
さもえど(プロフ) - 桜姫さん» 桜姫様、リクエストお受けしました!ラクレス様素敵ですよね、是非書かせていただきます!それと、いつも作品見てくださってありがとうございます。 (12月7日 23時) (レス) id: c71a97a44f (このIDを非表示/違反報告)
桜姫(プロフ) - いつも読ませて頂いてます❗️クリスマス番外編のでラクレスとかは大丈夫でしょうか? (12月7日 13時) (レス) @page13 id: 533f7f5ed0 (このIDを非表示/違反報告)
さもえど(プロフ) - しおりさん» ありがとうございます、励みになります☺️ (11月20日 0時) (レス) id: c71a97a44f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さもえど | 作成日時:2023年11月19日 1時