番外編5リタ・カニスカ ページ23
パンと破裂音が鳴りクラッカーが弾ける。
「メリークリスマス、さて飲み物でも開けるか」
『やったー、楽しみ!』
呆気なくスタートしたクリスマスパーティー。もっふんが印刷されたシャンメリーをリタが持って来る。お互いのグラスにゆっくりと注ぎ込んでは乾杯をする。
『あ〜、なんかクリスマスって感じ。ご飯も美味しいし』
「喜んでもらえたなら用意した甲斐がある」
『そう言えば、モルフォーニャは?流石に今日は仕事ないでしょ』
「モルフォーニャは昨日から休暇をとって旅行に行っている、確か温泉のある方に行ったらしい」
チキンを手に取り口に運ぶ。へぇ、温泉か。
パリッとした皮が脂を含み口の中でパチンと弾ける。
『そっか、なんだか物足りないね。モルフォーニャがいないと』
「そうか」
『うん』
リタが早くもケーキに手をつける。もぐもぐと食べ進めていく姿がどこか不機嫌であるように見えた。
『リタ、チキンとかオードブル食べないの?シャケとか』
「…なぜシャケが?いや、ああそうだなAのおすすめはどれだ」
『私が食べて美味しかったのは、…これと、これ』
「そうか」
また黙々と食べ始めた。ほんの少しお互い無言になる。
「その、モルフォーニャのことは好きか?」
『どうしたの急に、別に好きだよ。友達として』
「私も同じだ」
『なんでそんなこと聞くの?』
カチャリと小さな音を立ててリタがフォークを下す。
「Aと早く知り合ったのは私だ」
『うん…?』
「その後にモルフォーニャと知り合った」
『そ、うだね』
本当にどうしたのだろうか。リタの様子が変だ。
「幼稚なことを言うことになるが、その」
『その?』
「先に知り合ったのだから、モルフォーニャよりも私のことを優先してほしい。そう言ったら笑うか?」
『笑うかって言うか、なんか恋人みたいな頼みだね。ちょっと面白いかも』
リタがそんなこと言うなんて意外だ。この清廉潔白を貫く裁判長が友達に嫉妬だなんて。
「こ、恋人などではない!あくまで友人としてだ!」
『分かってるよ。全くしょうがないな〜、リタのわがまま聞いてあげる』
「恋人は、まだ先の話だ。」
番外編6ジェラミー・ブラシエリ→←番外編4カグラギ・ディボウスキ
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さもえど(プロフ) - *桜もち。さん» コメントありがとうございます😭こちらこそ素敵なイベントに参加させていただいて光栄です!あと、すごく楽しいです!作品の感想もありがとうございます!!! (12月22日 16時) (レス) id: c71a97a44f (このIDを非表示/違反報告)
*桜もち。(プロフ) - イベント参加ありがとうございます💖トリップ系あまり読まないですが、とても面白いです✨ゲロウジームを可愛く思ったりリタ様の趣味に気付いたりする夢主ちゃんが愛おしいです…!続き楽しみにしてます! (12月21日 19時) (レス) @page18 id: 17da285f26 (このIDを非表示/違反報告)
さもえど(プロフ) - 桜姫さん» 桜姫様、リクエストお受けしました!ラクレス様素敵ですよね、是非書かせていただきます!それと、いつも作品見てくださってありがとうございます。 (12月7日 23時) (レス) id: c71a97a44f (このIDを非表示/違反報告)
桜姫(プロフ) - いつも読ませて頂いてます❗️クリスマス番外編のでラクレスとかは大丈夫でしょうか? (12月7日 13時) (レス) @page13 id: 533f7f5ed0 (このIDを非表示/違反報告)
さもえど(プロフ) - しおりさん» ありがとうございます、励みになります☺️ (11月20日 0時) (レス) id: c71a97a44f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さもえど | 作成日時:2023年11月19日 1時