番外編3ヒメノ・ラン ページ21
『ごめん、ヒメノ…私が風邪ひくから。ヒメノのクリスマス潰しちゃった』
「気にしないで。私からしたら貴方との時間を独占できる、それ以上のものはないから」
はい、あーん。そう言ってヒメノがスプーンを私の口に運ぶ。
『おいしい、ありがとう』
「うちのシェフ達が作ったんだから当たり前」
『だね』
「ちょっと席を外すわ、少し待っていて」
そう言って椅子から立ち上がったヒメノは部屋から出ていった。ケホッ、咳をするもヒメノのいなくなった部屋に寂しく響くだけ。水飲も…、ベッドの横の棚に置かれたピッチャーを手に取ろうとするが横着して取ろうとしたせいでつるりと落としてしまう。
『あ、』
ガラスでできたピッチャーは地面にぶつかると同時に派手に破片を散らして割れてしまった。
「A、大丈夫!?」
『あ、ヒメノ…。ごめん、壊しちゃった』
「貴方が怪我しなかったらそれで良いわ、破片は飛んできてない?」
『うん…でも』
ヒメノが呼んだセバスさんと他のメイドさん達が部屋に入って来て掃除を始めた。テキパキと破片を片付けていくのを見て申し訳ない気持ちに襲われる。
『私…』
「泣かないで…体調が優れないんだもの仕方ないわ」
『でも…』
「…一旦二人にしてくれる?片付けはまた後でして頂戴」
畏まりましたと、部屋からメイドさん達がスッと消えていった。
『…ヒメノ』
「こんなことでメソメソしてたら将来どうするつもり?私にずっと面倒見てもらうの?」
『そんなこと、別に…』
「言い訳しない」
そう言ってヒメノがクローゼットを開け寝巻きを取り出す。そして、どこからともなく現れたメイドさん達の手によってあっという間にヒメノが寝巻き姿になった。
「ほら、病人はちゃんとベットで寝て頂戴」
『う、うん』
「疲れた時は休むのが一番。ほらもっと詰めて」
そう言って壁際にぎゅうぎゅうと寄せられる。何をされているのか分からず混乱していたらヒメノが布団に入って来た。
『ちょっと、風邪うつるからダメだって』
「私の体調管理がダメだって言いたいの?そんな風邪如き私にはうつらないわ」
『うぅ…』
「今日は一緒に寝ましょ、早く寝て明日の朝サンタさんからのプレゼントを受け取りに行きたいわ」
サンタさんって、
『ヒメノの家はまだサンタさんが来るの?』
「えぇ、もう目の前にいるわ。明日の朝は素敵なプレゼントを見せてね?」
「何言って」
『貴方のかわいい寝顔、たくさん見せて。じゃあおやすみAサンタさん』
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さもえど(プロフ) - *桜もち。さん» コメントありがとうございます😭こちらこそ素敵なイベントに参加させていただいて光栄です!あと、すごく楽しいです!作品の感想もありがとうございます!!! (12月22日 16時) (レス) id: c71a97a44f (このIDを非表示/違反報告)
*桜もち。(プロフ) - イベント参加ありがとうございます💖トリップ系あまり読まないですが、とても面白いです✨ゲロウジームを可愛く思ったりリタ様の趣味に気付いたりする夢主ちゃんが愛おしいです…!続き楽しみにしてます! (12月21日 19時) (レス) @page18 id: 17da285f26 (このIDを非表示/違反報告)
さもえど(プロフ) - 桜姫さん» 桜姫様、リクエストお受けしました!ラクレス様素敵ですよね、是非書かせていただきます!それと、いつも作品見てくださってありがとうございます。 (12月7日 23時) (レス) id: c71a97a44f (このIDを非表示/違反報告)
桜姫(プロフ) - いつも読ませて頂いてます❗️クリスマス番外編のでラクレスとかは大丈夫でしょうか? (12月7日 13時) (レス) @page13 id: 533f7f5ed0 (このIDを非表示/違反報告)
さもえど(プロフ) - しおりさん» ありがとうございます、励みになります☺️ (11月20日 0時) (レス) id: c71a97a44f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さもえど | 作成日時:2023年11月19日 1時