美形嫌いのチキュートリップ【王様戦隊キングオージャー】

初めての友達 ページ3

「じゃあここで待っててください！」
『分かりました』

そう言われて大人しく近くにあったベンチに腰を下ろす。ちらちらの辺りを見渡してみると、この建物は公民館か何かなのだろう。さっきから小さい子達が楽しそうに庭で遊んでいるところが見える。

「あの、…」
『はい？』
「心配じゃないですか？今の状況」

凛とした、庭で遊んでいる子供達よりも一回りほど年上そうに見える女の子が話しかけてきた。私と同い年かそれより少し年下かな。

『というと？』
「…いやいや、いきなり知らない場所に来たあげく名前しか知らない男の人についていくことになってるんですよ、普通怖がりません！？」
『あー、言われてみれば？』

確かに全くもって不安じゃないと言えば嘘になるが、…割り切るしかない。それに、ギラはすごく優しそうな人だったし、国の王があの感じだったらこの国自体も優しい人が多いのだろう。
現に目の前の少女がそうだ。
と、思ったことをそのまま伝える。

「…なんかギラに似てるなー、心配になってきた」

予想外。頭を抱えさせてしまった。

「私、コガネって言います。ギラとは長い付き合いで」
『そうなんですね、私はAって言います。…さっきの話、やっぱり不安じゃないは嘘になっちゃうので…もし良かったら、その、仲良くしてくれませんか？』
「…、はい！もちろん！ …それならさ、敬語もやめない？」

確かに、強く頷く。
そうしてギラが来るまでの間コガネと世間話をして時間を潰した。ここは孤児院ならしくて、同世代の女子がいないコガネは退屈していたそうだ。これで無事異世界で友達と呼べる人物が現れた。

「すみません、遅れました！…て、コガネ、ずいぶん仲良くなったんだな！」
「もう、ギラ遅い！」

髪をふわふわと跳ねさせながらこちらに走ってきたギラにコガネが開口一番文句を言う。これも信頼からくるものなのだろうか、そう考えるとこの二人が本当に兄妹の様に見えてくる。

「ていうか、そう！私とAはもう友達なの！」
『わっ！』

コガネに腕を巻きつけられぎゅとハグをされる。でしょ？とこちらに首を傾げるコガネにそうだよ、と頷き賛成する。

「僕抜きにして仲良くなるなんてずるいぞ」

何故かギラが拗ねてしまった。

そして、僕も混ぜてと言ったギラがこちらに突っ込んでくる。嘘だろと思っている間に、私とコガネはすっぽりとギラの腕の中に収まることになってしまった。窮屈そうな私達を見て満足げな顔をしていたギラだが、

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