番外編１ギラ・ハスティー ページ19
「ごめんね、手伝わせちゃって」
申し訳なさそうにギラが言う。
『いいよ、別に。久しぶりにコガネたちにも会えたし。それに楽しかったから』
「そっか…なら良かった。」
『うん』
孤児院のみんながすっかり寝静まっているなか二人で飾り付けの回収を行う。そして、部屋の中で一際目立つクリスマスツリー、その根元に色んなラッピングが施されたプレゼント達を置いていく。
『ギラはいつからサンタさんなの？』
「うーん…僕より年上の人がいなくなった時からかな、それからずっとサンタさん」
『じゃあ今も、王様なのに？』
「関係ないよ、僕はずっとみんなのお兄ちゃんだから」
そう言ってプレゼントを並べるギラの横顔はひどく優しかった。どこが邪悪なんだろ、考えるとおかしくてなんだか笑えて来た。
「A、なんで笑ってるの？」
『いや…。ギラはやっぱり優しいなって』
「なにそれ」
『気にしないで、さっ続きしよ』
そうして最後の一つを並べ終える。
「休憩しよっか、ケーキ食べる？」
『うん、頂こっかな』
椅子に座りギラとケーキを待つ。窓の外を見ると雪がちらつきだした。
「A…」
『なに、ギラ？』
呼ばれて振り向くとそこにはサンタ帽を被ったギラがいた。
『何してんのギラ』
「これ、プレゼント。良かったら受け取って」
そうして一つの箱が渡される。ツリーの下に並んでいるカラフルなラッピングではない、重厚感のある赤と白いリボンが結ばれた小さな箱。
指先で丁寧に包装を解いていく。
『わ、』
「…Aが喜ぶか分かんないんだけど、」
『時計…？』
「うん」
そこに入っていたのは白い基盤に赤い歯車がいくつか彫られた可愛らしいデザインの時計だった。
「Aがチキューに来てから僕の世界はずっと楽しくなった」
真っ直ぐにこちらを見つめてギラが言う。
『うん。私も』
「でもね。忘れないで欲しいんだ。ヒメノやリタさん、ヤンマにカグラギにジェラミー、それにラクレス…この中の誰よりも早くAに出会ったのは僕だ」
『あの時ギラが私のことをキャッチしてなかったら、今頃私ここにいないよ』
「想像したくもないけどね」
ギラがふわりと笑う。
「誰よりも早くAと出会えた。だから、Aと一緒にいる時間は誰よりも長くありたいんだ」
『何それ、子供みたい』
「子供みたいでもいいよ、Aのそばに居させてもらえるなら」
『時計、似合う？』
そう言ってギラに腕時計をつけた姿を見せる。
「うん。とっても」
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さもえど(プロフ) - ＊桜もち。さん» コメントありがとうございます😭こちらこそ素敵なイベントに参加させていただいて光栄です！あと、すごく楽しいです！作品の感想もありがとうございます！！！ (12月22日 16時) (
レス) id: c71a97a44f (このIDを非表示/違反報告)
＊桜もち。(プロフ) - イベント参加ありがとうございます💖トリップ系あまり読まないですが、とても面白いです✨ゲロウジームを可愛く思ったりリタ様の趣味に気付いたりする夢主ちゃんが愛おしいです…！続き楽しみにしてます！ (12月21日 19時) (レス) @page18 id: 17da285f26 (このIDを非表示/違反報告)
さもえど(プロフ) - 桜姫さん» 桜姫様、リクエストお受けしました！ラクレス様素敵ですよね、是非書かせていただきます！それと、いつも作品見てくださってありがとうございます。 (12月7日 23時) (レス) id: c71a97a44f (このIDを非表示/違反報告)
桜姫(プロフ) - いつも読ませて頂いてます❗️クリスマス番外編のでラクレスとかは大丈夫でしょうか？ (12月7日 13時) (レス) @page13 id: 533f7f5ed0 (このIDを非表示/違反報告)
さもえど(プロフ) - しおりさん» ありがとうございます、励みになります☺️ (11月20日 0時) (レス) id: c71a97a44f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さもえど | 作成日時：2023年11月19日 1時
