美形嫌いのチキュートリップ【王様戦隊キングオージャー】

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『私、ぬいぐるみのお洋服縫うのも趣味で。』

そう言ってスマホを取り出す。連絡などを取れたりはしないが写真を見るなどのことはできるのでフォルダの中にある私の作品を漁る。

「す、すごい…！これは一体どうやって」
『どうやってって、布を切って縫うだけですよ…頑張ればぬいぐるみも縫えます』
「なっなんだと、A。さては只者ではないな」
『どこからそうなるんですか、ただかわいいものが好きなだけです』

これは、かなり打ち解けてきたんじゃないか？よし、ミッションコンプリート。そっと胸を撫で下ろしているタイミングで沢山のお菓子達と共にヒメノがやって来た。

『ヒメノ遅いよー』
「あら、失礼。でも安心して？待たせた事なんて全く気にならない位に美味しい、シェフ達が腕によりをかけたものばかり持ってきたから」
「ヒメノ、今日も世話になる」
「リタ！来てくれてありがとう、Aとは仲良くなれた？」

ふたりはかなり仲が良さそうに見えるな。一国の王であるヒメノ、とその友人であるカニスカさん。一体あの人は何者なんだろうか、女性？っぽいけど、でも私の中のイケメン拒否センサーが僅かに反応しているところを見ると男性なのか？
…まあどっちでもいいか、かわいいもの好き同士仲間だし。

「なあ、A。私と貴様、少しは仲良くなったはずだが、どう思う？」
『え、ああ。はい、カニスカさんとはかわいいもの好きで共鳴し』
「ヴァーーーー！！！！！」
『わっ、なに』

いきなり咆哮を上げるカニスカさん。周りの人達を見るがみんなこれが日常ですと言った顔をして耳を塞いでいる。え、怖い怖い怖い。ますますこの人が何者か分からなくなってきた。

「その、私が…そう言うものが好きなのはあまり口外するな」
『わ、分かりました』
「それと、」
『と？』
「カニスカさんではなく、リタと呼べ。お前になら…許可する」

驚く私の後ろでセバスさんと一緒に計算通り、と微笑むヒメノがいることに私は気づかなかった。

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