モラトリアムとにらめっこ(リタ・カニスカ) ページ10
「おい、お前ここで何してる?」
シンとしたあたり一面に声が響く。
お前って私のことだよな?半端な確信と共に後ろを振り返る。
『…なんだ、リタさんか』
そこにいたのはゴッカンの地よりも冷静沈黙な思考を持つ裁判長だった。視界に映ったのが見慣れた顔で、尚且つ半端な確信が確かなものへと変わったので安心して胸を撫で下ろす。
「何だとはなん、…!」
『…?』
突然口をつぐんだリタさんがブルブルと震え出す。
『あの…どうしまし、』
「どうして泣いているんだ!!!!!一体何があったんだ!!何されたんだ!!暴行罪か!?脅迫罪か!?…もっ、もしかして強制わいせつ…」
やばい、そう思うよりも前に体が動いていた。
急いで耳を塞いだその瞬間。全シュゴッダム中に届くのではないかと思うほどの咆哮がリタさんの口から出ていった。
「許さない!絶対に裁く、…裁く!!!」
『違います!リタさん!!違いますから!』
オージャカリバーを振り回すリタさんを必死の気持ちで抑え込む。
「ちっ違うのか…?」
『そうです。…はあ、とりあえずどこか落ち着ける場所にいきましょう』
すっかり枯れてしまった涙の後処理をする暇もなく。ブツクサ言いながらもっふんを撫でるリタさんを連れて人集りの少ない所へ行く。
「どうしようもっふん…。変なことばっか妄想してるやつって思われたよね、完全に引かれたよね…」
「"リったんは思い込みが激しすぎるんだよ〜、そんなんじゃ引かれて当たり前だよぉ〜"」
「…はあ」
『何バカなことやってるんですか、天下の裁判長ともあろう人が』
そう言ってもっふんを奪い取る。途端にもっふんを取り返そうとワタワタ動き出したが、フィジカル面だとリタさんと私は大体互角なので勢いで押し切った。
『先に聞いてくださいよ。なんで私が泣いてたのか』
「…いいのか」
『良いのかも何も、友達が失恋してたら話を聞くのが友達の勤めでしょ?』
だから、聞いてくださいよ。ね?
もっふんの体をぴこぴこ動かしながら語りかける。
「じゃあ、Aはどうして泣いていたんだ?」
『失恋したんです。フラれちゃった』
「…そうか」
『はい』
会話終了。
流石に呆気なさすぎる。もっと掘るべきところがあるだろうが、まず誰なのか?とか!どんな告白をしたのか?とか!
『あんまり詳しく聞かないんですね』
「そんなに根掘り葉掘り聞かれても、良い思いはしないだろ?」
『いやまあそうですけど』
「…ならこっちを見ろ」
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*桜もち。(プロフ) - さもえどさん» シチュエーションはお任せして大丈夫ならお任せしたいです!甘めだと嬉しいです! (11月10日 7時) (レス) id: 849756f787 (このIDを非表示/違反報告)
さもえど(プロフ) - *桜もち。さん» それと、オススメありがとうございます☺️ぜひ見させて頂きます! (11月9日 22時) (レス) id: c71a97a44f (このIDを非表示/違反報告)
さもえど(プロフ) - *桜もち。さん» *桜もち。様、リクエストお受けしました。私もグローディ様好きなので有難いリクエストです!短編を書くと言う形でリクエストにお答えするのですが、どの様なシチュが良い等のイメージがお有りでしたら、それも教えていただけたらと思います。 (11月9日 22時) (レス) id: c71a97a44f (このIDを非表示/違反報告)
*桜もち。(プロフ) - リクエスト失礼致します!もし宜しければグローディ様でお話を作って頂けると凄く嬉しいです!ご検討よろしくお願いします!あ、あと余談ですが個人的にはタイムレンジャーおすすめです✨ (11月8日 17時) (レス) @page10 id: 849756f787 (このIDを非表示/違反報告)
unnkochan(プロフ) - さもえどさん» 楽しみに待っております! (11月7日 23時) (レス) id: 3310dc048d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さもえど | 作成日時:2023年10月29日 2時