噛み合った歯車の先に(ギラ) ページ16
️
『ギ、ギラ…。私ギラのことが…』
好き。
その2文字が耳に入った時、すごく嬉しかった。なぜなら僕もAのことが大好きだったからだ。
「ごめん」
だからこそ、選択を間違えた。
「まっ、待って!」
その声も届かないほどの速さでいなくなってしまったAの後ろ姿が視界から消えて行く。
最後に見た表情。あの綺麗な瞳から涙が一粒溢れるところを見て、伸ばしかけていた腕がぴくりとも動かなくなってしまった。
しばらくの放心状態ののち、ようやく動き出した体を必死に走らせAの元へ向かった。
(見つけた!)
その場所はシュゴッダムの外れにある人気の少ない路地だった。こんな危ないところで、誰かに襲われでもしたら。そう思うとより一層Aへのそばに行きたいと言う気持ちが掻き立てられた。
「A!」
『…!、ギラ!?』
「探したぞ、1人でこんな場所にいたら危ないだろう」
『ギラに心配されなくても平気だし、私だって王様戦隊の一員なんだよ…』
そう言葉を吐くAの肩はかすかに震えていた。もう冬も始まろうとしている季節だ。急いで城から逃げ出したAは上着も羽織っていない。
「嫌だったらごめんね」
そう言って自分が身につけているマントをそっとAの肩に被せる。
そして、震える手をそっと握る。これは優しさ半分と、Aを逃さない様にするための醜い独占欲が半分だ。
「まずは謝らせてほしい。僕はAに勘違いをさせてしまったと思う。」
『勘違いって?』
痛々しく腫れた目元を見る。その原因が自分のせいだと思うと体を蝕む罪悪感がより一層その強さを増していった。
「僕さ、Aからの告白にごめん、って言ったでしょ?」
『…うん。私フラれたね』
「それが違うんだ。その…僕、自分からAに告白したくて」
『…。え!?』
声をあげ驚く姿を見て少し安心する。でもまだだ。もっと、誤解を解かないと。
「多分、Aよりも先に。僕は君のことを好きになっていたんだと思う、いつ告白しようかとも思ってた。でも、まだ僕は王としては力不足だったから、君に見合う人になれる様に頑張ってたんだ」
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*桜もち。(プロフ) - さもえどさん» シチュエーションはお任せして大丈夫ならお任せしたいです!甘めだと嬉しいです! (11月10日 7時) (レス) id: 849756f787 (このIDを非表示/違反報告)
さもえど(プロフ) - *桜もち。さん» それと、オススメありがとうございます☺️ぜひ見させて頂きます! (11月9日 22時) (レス) id: c71a97a44f (このIDを非表示/違反報告)
さもえど(プロフ) - *桜もち。さん» *桜もち。様、リクエストお受けしました。私もグローディ様好きなので有難いリクエストです!短編を書くと言う形でリクエストにお答えするのですが、どの様なシチュが良い等のイメージがお有りでしたら、それも教えていただけたらと思います。 (11月9日 22時) (レス) id: c71a97a44f (このIDを非表示/違反報告)
*桜もち。(プロフ) - リクエスト失礼致します!もし宜しければグローディ様でお話を作って頂けると凄く嬉しいです!ご検討よろしくお願いします!あ、あと余談ですが個人的にはタイムレンジャーおすすめです✨ (11月8日 17時) (レス) @page10 id: 849756f787 (このIDを非表示/違反報告)
unnkochan(プロフ) - さもえどさん» 楽しみに待っております! (11月7日 23時) (レス) id: 3310dc048d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さもえど | 作成日時:2023年10月29日 2時