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言われた通りに横を向く。
「笑うと負けよ、あっぷっぷ」
『へ?』
ジッパーが開く音と共に、思わず目を見開く。普段のクールな印象からは到底結び付かないような変顔を披露するリタさんが現れたからだ。
『あははは!!!』
「…」
『ひっ、…ひっ』
「…笑いすぎだ」
だって、面白いんだもん。その言葉も出てこないくらいに笑い転げる。あの時ギラが見たのもこんな顔だったのかと思うと勝負に負けたのも納得できる。
…あ、ギラ。
途端フラッシュバックするさっきまでの重い気持ちに嫌気がさす。
「なっ、何故また暗い顔をするんだ。私はどうしたらいい?」
『…すみません。…慰めて、ほしい。です』
「わ、分かった。……ごほん、もっふんもふ〜もふもふ〜…」
嘘だろこの人。
薄々そんな気はしてたけど…、人生のレパートリーがもっふんしかないのか?
いや、分かってはいる。これが決しておちゃらけている訳ではない事を。でも…
「おこるとちみどろ〜」
あまりにも、あまりにもだ。しかもなんでちょっと楽しそうになって来てるんだ。
『リタさん…もっふん以外の方法は?』
「無い。」
『…もう帰っても良いですか?』
「な!?待て、私が悪かった」
慌てて立ち上がったリタさんに腕を掴まれる。
必死な顔で呼び止められたのが面白かったからもう少しからかってみた。
『引き留めたところで何してくれるんですか?…もしかして、愛の告白とか?』
「ヴァッ」
もちろんそんなことがある訳ないのを理解して言っている。どうせ、もっふんコラボカフェへのお誘いとかそんなもんだろう。と、たかを括り余裕ぶる。
「…ならば、改めて言わしてもらおう」
『へ?』
「A、これは決して失恋したお前に対して慰めに言っている言葉ではないことを理解して受け取って欲しい」
『え、ちょっと。まっ、』
しっかりと握られた手のひらとリタさんの顔を交互に見る。脳みそが溶けてしまいそうな状況でどのように対応したら良いのかが一切つかめない。
(あれ、私さっきまで優位に居たはず…)
なんて考えも情けないほどに崩れていく。
「私は。この、リタ・カニスカは、Aのことが好きだ。もし良ければ、私と付き合ってはくれないだろうか」
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*桜もち。(プロフ) - さもえどさん» シチュエーションはお任せして大丈夫ならお任せしたいです!甘めだと嬉しいです! (11月10日 7時) (レス) id: 849756f787 (このIDを非表示/違反報告)
さもえど(プロフ) - *桜もち。さん» それと、オススメありがとうございます☺️ぜひ見させて頂きます! (11月9日 22時) (レス) id: c71a97a44f (このIDを非表示/違反報告)
さもえど(プロフ) - *桜もち。さん» *桜もち。様、リクエストお受けしました。私もグローディ様好きなので有難いリクエストです!短編を書くと言う形でリクエストにお答えするのですが、どの様なシチュが良い等のイメージがお有りでしたら、それも教えていただけたらと思います。 (11月9日 22時) (レス) id: c71a97a44f (このIDを非表示/違反報告)
*桜もち。(プロフ) - リクエスト失礼致します!もし宜しければグローディ様でお話を作って頂けると凄く嬉しいです!ご検討よろしくお願いします!あ、あと余談ですが個人的にはタイムレンジャーおすすめです✨ (11月8日 17時) (レス) @page10 id: 849756f787 (このIDを非表示/違反報告)
unnkochan(プロフ) - さもえどさん» 楽しみに待っております! (11月7日 23時) (レス) id: 3310dc048d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さもえど | 作成日時:2023年10月29日 2時