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彼女の秘密1 ページ19

※このシリーズ、シリアスです


一番信頼していた部下が死んで二日が経った。

心暖のお陰で俺は生きている。

けど、...複雑な心境だった。

未だに信じられないのだ。

彼奴が、俺を裏切っていたなんて...

「よォ、立原。」

密かに憧れている上司の声を聞き振り返る。

「お疲れ様です。中也さん。」

「調子はどうだ?」

「何時も通りっすよ」

「そうか...あんまりは無理すんなよ?」

と言って青く澄んだ目で見てきた。

どうやら心配させてしまったらしい。

しっかりしねぇとなぁ。

「はい、お気遣い有難うございます。」

「おう。」

「立原!」

明るい声を聞いて分かった。...心暖だ。

正直今は会いたくない。

「中也も一緒かぁ」

「悪かったな一緒で。」

「全くだ。」

「手前...」

何時も通りコントの様なやり取り。

それすらも、笑えなかった。

「でね、立原、一昨日の事だけど...」

「悪い。其れはまた今度頼む。」

「今じゃないと駄目だ。」

「おい、心暖止めろ」

一昨日の事について嫌がる俺。

押し通そうとする心暖。

其れを止める中也さん。

「立原、あんたの部下について分かっ...」

「やめろって!!その事は言うな!」

俺はそう叫んで2人から背を向けて逃げた。

申し訳なく思いながら...。

_____________________________________________

立原が暗闇に消えた後、俺と心暖が残された。

俺は怒りが込み上げていた。

考えれば簡単なことなのに

何で此奴は人の気持ちも考えずに...。

「...何であんなこと言ったんだ?」

「部下が立原を裏切った理由が分かったから」

「彼奴の気持ちが分かんねぇのか?」

「...............分からないんだ。」

下を向いてボソリと言った答え。

有り得ない答えについカッとなってしまった。

そして俺が

「手前!あんまり巫山戯んなよ!!?」

と怒鳴るように言うと

「......妾には本当に分からない。」

今度は顔を歪ませて俺の顔を見ながら言った。

一瞬で頭が冷えた。

......普段、心暖が見せない顔。

今にも泣いてしまいそうな顔。

「...もう、行く。」

そう言ってゆっくりと歩き始める。

呼び止めようとしたが身体が動かなかった。

否、呼び止める勇気が出なかった。

何故なら、何時も見ている堂々とした姿を

心暖が立ち去る際に感じ取れなかったから。

彼女の秘密2→←共同任務【後編】



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設定タグ:文スト , 中原中也 , 夢女子   
作品ジャンル:アニメ
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凛花 (リンカ)(プロフ) - きのさん» はい!頑張ります!! (2018年3月17日 23時) (レス) id: d93a89906c (このIDを非表示/違反報告)
きの(プロフ) - 有難うございます!嬉しいです!頑張って下さい! (2018年3月17日 22時) (レス) id: e253f59a3b (このIDを非表示/違反報告)
凛花 (リンカ)(プロフ) - きのさん» 何時も読んでくれて有難うございます!!わかりました。中也さんで書くことにします。コメント有難うございます!! (2018年3月12日 5時) (レス) id: d93a89906c (このIDを非表示/違反報告)
きの(プロフ) - 何時も読んでます!質問の答えなんですが、俺(女です。紛らわしくてすみません)は何方かと言うと中也さん派ですかね。此れからも更新頑張って下さい!いつでも待ってます! (2018年3月11日 23時) (レス) id: e253f59a3b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:凛花 (リンカ) | 作成日時:2018年3月6日 22時

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