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心配と嫉妬のまちがいさがし _ymmt ページ18

オフィス内

帰ろうとして

2人っきり


『そういえば山本さん、聞いてください!』

「な、なんですか?」

『福良さんと河村さんと伊沢さんに彼女ができたらしいです!!!』

「…ほう。」

『それでですね!
写真を見せてもらったんですよ!』

「へぇ。」

『めっっっちゃかわいかったんです!!』

「へぇ。」

『いいですねぇ、みなさん、すごい溺愛してましたよ。
まるまるさんのどこどこがかわいくてぇってずっと聞かされました。』

「聞かされた?」

『昨日の夜オフィスで聞かされました。』

「…3人に?」

『はい!』

「…オフィスで?」

『…?はい!』

「よにんっきり?」

『…よ、よにんっきり?』

「福良さん伊沢さん河村さんAちゃんで?」

『えっと…はい。』

「はぁ…」

『…えっ?』

「…まったく、危機感を持ってくださいよ。」

『危機感?
でも、3人とも彼女さんいますし!』

「わかんないじゃないですか。」

『大丈夫ですって!
…でも、山本さんだって、』

「俺だって?」

『山森さんと、鈴木さんと、岡本さんと4人だけでオフィスに残ってたことあるじゃないですか。』

「それは、でも、」

『…一緒ですよ。』

『山本さんは、嫉妬するのが自分だけだとでも思ってるんですか?』

「…」

『もう、いいです。
…山本さんに話したのが間違いでした。
ではまた明日。』



ドアの閉まる音と彼女の足音がオフィスに名残惜しく響き渡る。



取り残された彼は自分の中のモヤモヤとした気持ちを不思議に思いながら彼女の言った

嫉妬

とはなんだろうかと考えた。



「嫉妬、なのかな。」



彼は、ただ心配しただけだった。

彼女が、彼らに目をつけられてしまわないか、それだけだった。

だから、彼女に気をつけて欲しいと思ったのに。


「俺は、俺は…」




彼女のため…



じゃ、なかった?



自分のため?



名がなかった感情に嫉妬という名前をつけて、彼は自分の家へと足を向けた。






彼はこのとき、彼女を追いかけるべきだったのかもしれない。




 

“いつもの”から“君がいる”へ _secret→←…



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設定タグ:短編集 , QuizKnock , 悲恋   
作品ジャンル:恋愛
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いろ(プロフ) - 私もしかしたらハッピーエンド書けないのかもしれない(は?) (2020年2月3日 22時) (レス) id: 5fbef9d1c0 (このIDを非表示/違反報告)
いろ(プロフ) - やまうみ。さん» ありがとうございます…!またリクエストかシチュエーション置いていってくださいねっ (2020年2月2日 18時) (レス) id: 5fbef9d1c0 (このIDを非表示/違反報告)
やまうみ。 - あ、あの、好き、あの、無理です(語彙力の暴落)ありがとうございましたぁ...(泣) (2020年2月2日 17時) (レス) id: 98a8cddddc (このIDを非表示/違反報告)
いろ(プロフ) - ちょこさん» ありがとうございます!ふと思い浮かんで書きなぐったものだったので心配だったのですが、喜んでいただけて嬉しいです! (2020年2月2日 12時) (レス) id: 5fbef9d1c0 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - え、え、え、「通知音」めっちゃ良い…バカな感想だけどめっちゃ良い…!!(なにいってんだこいつ) (2020年2月2日 10時) (レス) id: 87290c21e3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いろ | 作成日時:2020年1月20日 19時

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