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「…なんでもない。でも、下の名前で呼ばれるの、全然嫌じゃないから、今からでいいから戻してよ。」
『う、うーん、まあ、頑張る。』
「やったあ。」
にこにこしながら喜ぶ鶴崎くん。こういう所が癒されるんだよな。
私も鶴崎く、あ、ひ、修功のこと癒したいな。そうだ！人って30秒のハグでストレスが減るんだよね。
『…修功！そこで止まっててね？』
「！？」
久しぶりに名前で呼んだからか、照れている。純粋だ。
「う、うん…」
『前向いててよ』
「うん…？」
私は勢いよく抱きついた。恋人同士じゃないけれど、幼馴染という特権で、これくらい許して。好きな人に彼女ができるっていう状況を、なんども乗り越えてきたから、それくらい。
「うぇっ！？ちょ、」
「何してんの！？」
『んー？いつも修功に癒されてるから、今度は私が癒してあげようと思ってさ』
「はあぁ…もぉ…
…俺がAのこと癒せてるかはわかんないけど、俺は毎日癒されてるよ。」
『え、本当？』
「うん、もちろん。
だから帰り、すごい楽しみなんだよ？」
『そんなの私もだよ。』
でも、その楽しみって言うのは
私と修功とは多分、少しだけ違う。
私は、修功が隣にいるだけでドキドキするけど、
修功はきっと、そんなことないでしょ。
『…もっと、こうしてたいな。』
「大丈夫、俺らは余程のことがない限り離れないから」
そう笑ってくれる。優しいね、修功は。でも、その優しさが私の心を傷つけてるってことは、知らないよね。
知らなくていいよ。
私が勝手に傷ついてるだけなんだから。
ーーー
幼馴染。それは、近くて、遠い関係。
俺がどれだけAを想っても、届くことは無い。
“どんなに近くったって、手は繋がない。”
ある曲の歌詞が、俺の頭の中でぐるぐると回った。
いつからか彼女は俺の事を苗字で呼ぶようになった。どうしてか分からなくて、名前で呼んでと頼みたくて、でも頼めなくて。そんな事があっても、俺はAと呼ぶのを辞めはしなかった。突き落とされて、しがみついていたのを、自分から離すなんて馬鹿なことはしない。
でももう、我慢ができなかった。
逆に、数年間我慢した俺を褒めて欲しい。
「前みたいに、修功って呼んでくれないの？」
そう問うと、彼女は硬直した。硬直した彼女に苛立った俺は、自分の気持ちを思うままにぶつけた。
それによって分かった。この事件は俺のせいではないとはいえないな。
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いろ(プロフ) - 私もしかしたらハッピーエンド書けないのかもしれない(は？) (2020年2月3日 22時) (
レス) id: 5fbef9d1c0 (このIDを非表示/違反報告)
いろ(プロフ) - やまうみ。さん» ありがとうございます…！またリクエストかシチュエーション置いていってくださいねっ (2020年2月2日 18時) (レス) id: 5fbef9d1c0 (このIDを非表示/違反報告)
やまうみ。 - あ、あの、好き、あの、無理です(語彙力の暴落)ありがとうございましたぁ...(泣) (2020年2月2日 17時) (レス) id: 98a8cddddc (このIDを非表示/違反報告)
いろ(プロフ) - ちょこさん» ありがとうございます！ふと思い浮かんで書きなぐったものだったので心配だったのですが、喜んでいただけて嬉しいです！ (2020年2月2日 12時) (レス) id: 5fbef9d1c0 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - え、え、え、「通知音」めっちゃ良い…バカな感想だけどめっちゃ良い…！！(なにいってんだこいつ) (2020年2月2日 10時) (レス) id: 87290c21e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いろ | 作成日時：2020年1月20日 19時
