隠し事。 _fkr ページ41
…まただ。
郵便受けに入っている手紙を見てため息をつく。オブラートに包んで言えば追っかけ、そのまま言えばストーカーからの手紙に、毎日悩まされている
。
［大好きです。
彼氏、僕にすればいいのに。なんで僕じゃないの？どうしてよ、どうして？絶対そんなやつより僕の方が］
…私はもう読むのをやめた。
少しだけ見える文章から、碌でもないやつだということがよくわかる。
『(福良くんのことなんて何一つ知らないくせに)』
何故かこいつは私に彼氏がいることを知っているので、下手になにかすれば彼氏に危害が加わるかもしれない。
私が寝ている間に、何かあったら、
そう考えているうちに夜は明けていて。
《おはよう。今日は何時から？》
〈おはよう。いつも通り。〉
良かった、今日も何も無かったみたいだ。
私の彼氏の福良くんは何かとよく周りを見ているので、毎日なにかに気付かれないかドキドキしている。最近はもう、名前を呼ばれるだけで心臓が跳ねる。悪い意味で。
そのせいか分からないけど、体が何を勘違いしたのか、福良くんに対して冷たい、素っ気ない態度をとるようになってしまった。
幸い、福良くんはあまり気にしていないみたいだけど。
気にしてなかったはずなんだけど。
今、私はオフィスで福良くんと二人きりになっている。意図的にでは無い。決して。私と福良さん以外の皆さんが買い物や学校へ行ってしまっただけだ。
「A」
『っえ？』
「…聞いてた？」
『ご、ごめん、もう1回言って』
「…だから、A、最近変じゃないって話。」
『へ、変？』
「…前までは、朝にLINEなんて滅多にしてこなかったのに。」
『それは、』
「しかも、なんか俺の事避けてるでしょ」
『そんなこと、』
「ねえ、自分で気付いてないの？」
『なにが…？』
「Aが最近ずっと、ため息ついてること。」
『え…？』
「しかもそれが帰りに近付く度に増えてること。」
そうだったのか。だから最近みんな、私に悩みがないか聞いてきたんだ。もちろん言えるわけないけど。
「…ねぇ、どうして俺に何も言ってくれないの？」
「どうして、隠すの？」
『隠してなんか、』
「…まだ、しらを切るつもり？」
『…いや…そんなつもりじゃなくて…』
福良くんに幻滅されるかもしれないという怖さと、よくわからない安心が私の心を襲った。涙は勝手に溢れてくる。
「…何があったか教えてよ、ゆっくりでいいからさ。」
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フェレット(プロフ) - いろさん» してみたされてみたシリーズのkwkmさん良かったです、私も優しくしていろさんを泣かせたいと思います() (2020年1月19日 18時) (
レス) id: 88923771a6 (このIDを非表示/違反報告)
いろ(プロフ) - 皆様が優しすぎて泣きそう (2020年1月19日 18時) (レス) id: 5fbef9d1c0 (このIDを非表示/違反報告)
まつりか(プロフ) - いろさん» いろさまさまです！気長に待ってますね！ (2020年1月19日 18時) (レス) id: e802cc95c8 (このIDを非表示/違反報告)
フェレット(プロフ) - いろさん» 凄く良かったですよ！またリクエストさせていただきます。 (2020年1月19日 18時) (レス) id: 88923771a6 (このIDを非表示/違反報告)
いろ(プロフ) - まつりかさん» ありがとうございます…が私のペースになってしまいますが必ず全て書きますのでお待ちください…！ (2020年1月19日 18時) (レス) id: 5fbef9d1c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いろ | 作成日時：2020年1月11日 23時
