興味ない。 _izw ページ25
「なぁきいてくれよ。」
『ん。』
「俺、会社立ち上げたんだけどさ。」
『え、まじ?すごいね!』
「うん、QuizKnockっていうんだけど、そこにさ、めっちゃかわいい子入ってきたの。」
『…あ』
「んでさ、めっちゃいい子なわけよ。」
『…』
もうそれからは、全く記憶がない。
彼がなにを話していたのかも、私がその時なにをしていたのかも、なにもかも覚えていない。
私が我に帰ったのは、
「なぁ、きいてる?」
彼から呼びかけられた時だった。
『ん、あぁ、ごめん、聞いてなかった。』
「…」
もう、何も言わないで。
顔は見れなかった。
『…てか、そんないい子居るなら、私なんかと喋ってないで、そぃ、
…
その子と喋った方がいいんじゃないの?』
危ない、そいつとか言いそうになった。
「…そんな言い方なくね?
てか何でそんな怒ってんだよ」
『別に怒ってないよ。勘違いじゃない?
興味ないことには無関心なのが私だから。』
あぁ、私の悪い癖。
焦ると思ってもないことがペラペラとでてくる。
「…俺には興味ないって?はぁ、そうかよ。
たしかにお前なんかと喋ってるよりかはあの子と喋ってた方がいいわ。
…ふん、じゃあな。」
『…うん。』
彼は席を立った。
あぁ、興味ないなんて嘘に決まってんじゃん。
ごめん。
逆だよ。
興味しかなかった。
けど、聞きたくはなかった。
私じゃないことが、聞かなくてもわかってしまったから。
『あー…バカじゃん…
ないわ、それは。
流石に、あぁ…
違うよ…違う…ぅああ…
伊沢、怒ってたよね…
あー、ごめん…ごめんね…
…言い訳なんてさせてくれないかなぁ。
もしさせてくれるなら、
好きだからって言ってもいいかなぁ…』
私はブツブツ独り言を言った。
吐き出さないとおかしくなりそうだったから。
でも私はその時考えていなかった。
彼が聞いているかもしれないということを。
…伊沢、私あの時、扉の隙間から見えちゃったんだ。
私があげたストラップ、付けてくれてたんだね。
それから、彼からの誘いは無くなった。
それが、伊沢の答えなんだね。
例え私の行動が間違いでも、
私は間違えたなんて思わない。
覚悟を決めて、
私は指先に込めた自分の想いを、あの日から止まっていた画面に映し出した。
《あの時はごめん。
好きだったよ。》
297人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「QuizKnock」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
フェレット(プロフ) - いろさん» してみたされてみたシリーズのkwkmさん良かったです、私も優しくしていろさんを泣かせたいと思います() (2020年1月19日 18時) (レス) id: 88923771a6 (このIDを非表示/違反報告)
いろ(プロフ) - 皆様が優しすぎて泣きそう (2020年1月19日 18時) (レス) id: 5fbef9d1c0 (このIDを非表示/違反報告)
まつりか(プロフ) - いろさん» いろさまさまです!気長に待ってますね! (2020年1月19日 18時) (レス) id: e802cc95c8 (このIDを非表示/違反報告)
フェレット(プロフ) - いろさん» 凄く良かったですよ!またリクエストさせていただきます。 (2020年1月19日 18時) (レス) id: 88923771a6 (このIDを非表示/違反報告)
いろ(プロフ) - まつりかさん» ありがとうございます…が私のペースになってしまいますが必ず全て書きますのでお待ちください…! (2020年1月19日 18時) (レス) id: 5fbef9d1c0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:いろ | 作成日時:2020年1月11日 23時